良いことも悪いことも常にアメリカが日本の10年〜20年先を
走っているということを実感させてくれるのが経営倫理問題です。
日本では雪印事件や日本ハム事件で、やっとコンプライアンスという
言葉が市民権を得たようですが、アメリカではその段階をすでに卒業し
価値観主導のマネジメント「value-driven manegement」が主流です。
本書では経験豊かな倫理問題の担当の経営経験者が
アメリカの企業や非営利団体を例にコンプライアンスから一歩進んだ
価値観による経営とは何を目指すのかを詳しく解説してくれています。
題名にもあるとおり、価値観による経営を目指す人がどの段階を
たどればいいのかという10のステップを提示してくれています。
例として挙げられた中でも興味深かいのは、ボストン大学とIOCでしょう。
大学の理事会が個人の利益に走ってしまい暴走した事件、
そして変質してしまった国際オリンピック協会の腐敗を価値観という点から
論じています。
但し、もう少し事例に深く突っ込んで、ケーススタディの度合いを
高めた方が魅力的だったと思います。
営利企業における企業倫理への取り組みはジレンマが大きく、ビジネススクールでも必須の学習課題であるが日本では馴染みがうすく良い図書が見つからない。
本書は特にアメリカの事例をふんだんに取り込んだ良いビジネス書だと感じた。
しかし、残念ながら翻訳の質が低く非常に読みづらかった。
登場する企業名も日本での知名度が少ないので、訳者注などを加えて説明されれば、親しみやすく仕上がったと思う。