カスタマーレビュー
著者のインタビュー 数学ガール/フェルマーの最終定理
著者のインタビュー記事が数学セミナー2009年1月号p.59に出ていました。
数学を魅せる本第2弾 数学ガール/フェルマーの最終定理
前作同様に小説形式。登場人物によってうまくレベル分けしてくれている。
今回は整数問題、特にフェルマーの最終定理を扱う。
数を「代数」・「幾何」・「解析」という数学の異なる分野から視点を変えて観察する。
それがつながりにつながっていく。この美しさを教えてくれる。
そしてその結晶こそがフェルマーの最終定理なのだ。
難しい予備知識は必要ない反面、内容はとても難しい。
しかし、大雑把なイメージをつかむだけでも十分面白い。数学に魅せられる。
最先端の数学に触れてみたい人、数学の魅力・美しさに触れてみたい人におすすめの一冊。
数式は良い 数学ガール/フェルマーの最終定理
数式は良いが、物語としての話があまり面白く無い。
今後に期待。
背理法の切れ味が心地よい 数学ガール/フェルマーの最終定理
前作「数学ガール」の続き。副題に「フェルマーの最終定理」とあるように、出てくる話題ことごとくがフェルマーの最終定理を想起させるものとなっている。この点、ミルカさんの口を借りて「最近は趣味に走りすぎじゃないか?」と自分で突っ込んでいる。
本作では数学初心者として中学生のいとこユーリが登場する。理解の覚束ない読者の疑問をぶつける役目だ。ただし、中学生にしては数学を理解しすぎている。知識がないというだけで数学的手法を修得しているという印象さえも受ける。そうでもしないと、ストーリーが進まないという裏事情もあるだろう。また、ガウス並の能力を誇るミルカさんの前では、その才能はかすんで見えるため、むしろバランスはとれている。
今回、最終的にフェルマーの最終定理の証明を説明する。多分、完全な説明にはなっていないと思う。・・・・「多分」とか「思う」とかいうのは、僕自身大雑把にしか把握できなかったため。
数学の研究は「役に立つのか?」という疑問には応えない。好きだから、楽しいからやる、という動機が最初にあって、後の時代に実利が付いてくるという面がある。そういった数学の純粋な性格を後押ししているように感じた。
数学をこねくり回すことで楽しみを覚えた経験のある方には間違いなくお勧めできる。
少女たちの存在は本質的でない? 数学ガール/フェルマーの最終定理
ライトノベルの体裁だが、少女たちの存在は本質的でない。こう仮定して、その他の点に本
書の魅力を探してみよう。
ページをめくる快感。本を読むのは楽しいが、思うようにページを繰ることができないのは
悲しい。一般に数学書では、ページをどんどんめくって次の展開を味わうことはできない。
定義をノートに書いて確かめ、定理の条件を吟味し、証明の細部を自分の手で確認すること
が数学書を読むことだからである。その点、本書はどんどんページをめくっていくことがで
き、大部な本を読破する楽しみを味わうことができる。余白の効果や捨てカットの効果が十
分に活かされている。
思考の過程の追体験。数学の面白さは、実は建築過程にある。拙くても自力でそれを味わっ
たことのある者は、数学の魅力から離れられなくなる。ただ、完成した数学においては、足場
を残さないのがマナーとされているため、実例を計算したり反例を探してみたりする「現場」
の様子はなかなかわからないのが常だ。本書は、数学を作っていく過程を模擬体験できる類書
にない味わいを持っている。
背理法をめぐって。本書を読んで気づいたことだが、背理法というのは、本質的に無限を含
んでいる。ルート2が無理数であることを証明する(92ページ)。まずはじめに、ルート
2=b/aをみたす整数a,bが存在すると仮定する。これは、無限個の整数a,bを一望し
て(一望できたとして)、その中からルート2=b/aをみたす一組を見つけたということ
だ。そこに否定という媒介項を持ってくることにより、命題を証明する。無限を扱うこと、
そして否定という媒介項。実にユダヤ的な思考法だ(と思える)。
前言撤回。いや、やはり少女たちの存在が重要だ。同じ数学の展開であっても、数学ボーイ
だったら、こんなにサクサク読むことはできない。しかも現実離れした名前であることがカ
ギになっている。ユーリ、テトラちゃん、ミルカさん。これらの名前が、山室愛、斉藤雅子
ちゃん、野木綾香さんだったら、本書は成立しない。十代の少女たちが物語る数学。こんな
際物(失礼!)と思っていましたが、考え直しました。数学への憧れの本質を衝いているの
かもしれません。
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