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歴史の証人の人生が描かれた迫真の書 オリガ―ロシア革命と中国国共内戦を生き抜いて
ロシアに生まれた著者の祖母を主人公にした史実に基づく感動の歴史絵巻。歴史と運命に弄ばれる人間を描いて生の感動を与える。ユン・チアン「ワイルドスワン」に体裁が似ているが、政治思想が前面に出ていなくて、事実の積み重ねで構成されている点が貴重。
1900年、シベリアの裕福な家に生まれたオリガだが、1918年のロシア革命によって故郷を追われ、ウラジオストック経由で天津に向かう。そこの租界で知り合ったイギリス人フレッドと結婚し、束の間の幸せを得る。しかし、中国政府がソビエトを承認した事によって恐怖に晒されるが、イギリス人と結婚していたオリガは難を免れる。この後、著者の母イリーナを産む。休暇を利用してフレッドの故郷イギリスに向かうが、そこでは冷たく扱われ、更にフレッドが父について嘘を吐いていた事を知り落胆する。中国に戻ってから、盧溝橋事件(私は自作自演だと思うが)を初めとする日本軍による満州占領が始まる。そんな中、オリガは長男キットを産むが、ダウン症候群と診断され、絶望に陥る。その後、南京が陥落し、一家は上海へ移る。そこでキットは赤痢で死亡する。1939年、ヨーロッパで大戦が始まり、ドイツ、イタリアと同盟を組んだ日本はフランス租界を占領し、イギリスは中国から自国軍の撤退を決める。オリガは命からがら娘と共に神戸経由でカナダに逃れる。フレッドとは生き別れである。そして1941年、日本の真珠湾攻撃と共に日本とイギリスは交戦状態に入り、フレッドとは音信不通となる。やがて、フレッドが日本軍に監禁されている事が分かり、通信を続けるが、次第に互いの心が離れて行く。そして1945年、日本の降伏により、5年ぶりに家族が再会する。
ロシア革命、満州占領、第二次世界大戦と言う激動の時代を生き抜いた歴史の証人の人生が描かれた迫真の書。
392ページ以上の満足度が得られる稀有な女性の人生 オリガ―ロシア革命と中国国共内戦を生き抜いて
表題「オリガ」の孫に当たる著者が、断片的に聞きながらも語ろうとしなかった祖母の半生を、オリガ亡き後ペレストロイカのもとにおける政策グラスノチの時代になっていたこともあり、1994年シベリアに向かって祖母発見の長い調査に出た。その調査の長い旅路と、奇妙な偶然の出会いから、桁外れの人生を送った祖母オリガを甦らせたのがこの本だ。
1990年シベリア南部で誕生したオリガは、毛皮商人として成功していた父セミューンのもと5人兄弟の末っ子として何不自由なく育った。しかし、オリガが年頃になっ頃、ロシア激震の時代が幕を開けてしまった。レーニン卒いるボリシェヴィキと皇帝派の革命の時代に、オリガの家族は皇帝派についたことにより、運命が激変してゆく。赤軍の追ってから逃れる為、19歳のオリガは父から手渡された一握りのルビーをペチコートに縫いつけて脱出した。ロシアから中国へ逃げても、戦争に巻きこまれ、ロシア亡命者への魅力的な本国からの誘いに揺れながら、残してきた家族を心配する日々。イギリス人フレッドと結婚しても、2人を脅かす社会情勢で家も財産も失う経験までしてしまう。
戦争というおおきなうなねりの中で、ロシア亡命者で、イギリス人妻だったオロガは、中国・アメリカだけでなく日本にも足を運ぶ。
運もあったかもしれないが、懸命に生きた一人の女性オリガの桁外れの人生は、読み応えも読後の満足度も大きい1冊だ。
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