本書は13人の女性作家がリレー方式で書き継ぐ長編ミステリーである。1人がおよそ1章分、20数ページを担当する。めまぐるしく書き手が変わることで、章が変わるたびに、それまでのキャラクターイメージがおもしろいようにくつがえされていく。
物語の舞台は、映画プロデューサー、女優、モデル、ロック歌手、政治家夫人など各界の有名人が集う会員制高級スパリゾート。次々と起こる連続殺人の犯人は、宿泊者の中にいる。なにやらアガサ・クリスティの舞台設定のようだと思ったら、著者の1人がアガサ・クリスティをネタにしっかりとつっこみを入れているのも楽しい。
事件は、スパリゾートのオーナー、クローディア・デ・ヴリーズが泥風呂の中から死体で発見されたところから始まる。発見者は年若く無垢な女性キャロライン・ブレッシングと、母ヒルダ・フィンチ。物語はこの2人を軸に展開し、母と娘の葛藤がドラマを盛り上げる。宿泊客たちはどうやらオーナーのクローディアに呼び出されて集まったらしい。彼らを結ぶ隠された真実とはなにか。
本書は13人の作家が書き分けた物語の雰囲気を忠実に再現すべく、5人の女性翻訳者によってリレー翻訳されている。総計18人の女たちの共演による本書は、成功を収めたといえるだろう。(木村朗子)
壮大なるペテン絵巻とでもいったようなしろもの。これで金を取るなんぞいい根性をしているし、何と言っても紙の無駄遣いである。起承転結とは一人の作者によってこそ有機的な繋がりが生じ、読み物としての魅力となるわけであるが、それを分担した各章でみせるには無理があり、いきおい社交界の人間関係を必要以上に複雑にするとか、筋の設定に破綻をきたす。すべての表現に事大的、誇大なものを感じ、フェイクさを一層強調する結果となっている。タイトルと表紙の絵に騙された私が悪いんですが。ああ損した。
現在活躍中の女性ミステリー作家が1章ずつリレー形式で書き進めているミステリーです。何か事件が起こると次の作家はどんな風に進めていくのか、最後はどういう風にまとめるのか、と楽しむことができました。
それぞれ短い章でも個性がでていて、重厚だったりミステリアスだったり雰囲気が違いました。今まで読んだことのない作家で興味を持った人もいて、そういうのを見つける楽しみもありました。
ですが・・・。最初に「女性ミステリー作家」と書くことに躊躇したのは2章を受け持ったJDロブです。ロマンス小説が苦手なため、ノーラ・ロバーツ名のも読んだことがないのですが、この章だけ主人公がおちゃらけていて別人のように感じました。この章で起こった出来事もちゃんとあとで使われるのですが、この章だけこんなんでいいのかなーっていうのが素直な感想です。
フアンの方には申し訳ないのですが、この方の書いたものを読むのはこの1章が最後かもしれません(笑)。
これがなければ星4つでもいいかなーと思えました。