エディターレビュー
内容紹介  【イラスト:村田蓮爾】 | 父親と対立して、辺境に追いやられた若き騎士ルドガーは、赴任した領地でカエサルと古代ローマを知っているという、不思議な街の守護精霊「レーズ」と出会う。実は彼女の正体は遠い星の彼方からやって来た巨大な異星生命体の対外感覚器官だった。ともに故郷を亡くし、固陋なキリスト教の因習に反発する二人は、中世ヨーロッパの海に面した三角洲に、今までなかった街「レーズスフェント」を作り、帝国自由都市を目指す。だが、街が発展するにつれて辺境伯やハンザ同盟の怒りを買い、同じく異星生命体と接触を持ったデンマーク国王との戦いへとつながっていく……。はたしてレーズスフェントの未来は?俊英・小川一水が、初のハードカバーで描く歴史SF!
(※画像をクリックすると拡大してご覧になれます) | 小川一水氏からのメッセージ  【撮影:谷口雅彦】 | 小川一水です。昔から、巨大な強者と戦う懸命な弱者という構図の話を、多く 書いてきましたが、本作ではそういう図式を踏まえつつ、二つのカメラを駆使し てみました。ひとつのカメラは自分たちの村を持とうとする14世紀ドイツの人々 にぐっと近づき、もうひとつのカメラは大きく引いて、上空から中世を写してい ます。映像のところどころには、ちょっぴり奇妙な何者かの姿も写るでしょう。 お楽しみください。 | 担当編集者からのメッセージ | 小松左京賞をはじめSFに力を入れている小社ですが、いよいよハードカバー 書き下ろし単行本に「導きの星」シリーズでスマッシュヒットを飛ばした小川一 水さんが登場。本作は中世北ドイツを舞台にした歴史SFです。900枚オーバー の大著となりましたが、読みごたえ充分です! デビュー作『『まずは一報ポプ ラパレスより』を彷彿とさせる本作は最初期のラノベからのファン、また『第六 大陸』『時砂の王』からの本格SF的好きのファンのみならず、はじめて小川一 水を読むという一般読者の方々にもおすすめです。ぜひご一読ください! |
カスタマーレビュー
素晴らしい本でした。 風の邦、星の渚―レーズスフェント興亡記
☆5のコメントが多く、時砂の王でとても感動したので、ちょっと高いハードカバーでしたが注文してみました。
一気に読破させられた今の気持ちは「良い本に出会ったなぁ↑」というもの。
ゼロから始まる二人の兄弟が、不可能にも思えるゴールにたどり着くのは感動です。
読後、誰もが「あの町」に故郷を感じることでしょう。
に、と目を細める笑顔が迎えてくれるかもしれませんね。
ぐいぐい引き込む作品 風の邦、星の渚―レーズスフェント興亡記
ひさしぶりに、長編を一気読みしました。
SF的要素をスパイスにした、街と人々の物語です。小川一水の長編では一番気に入りました。
素晴らしいの一言 風の邦、星の渚―レーズスフェント興亡記
小川一水初のハードカバーは、史実を基にした歴史ファンタジー。
自分は世界史に詳しくないので、この物語の世界がどれだけ史実に正確なのかはわかりませんが、そんなことはまったく気にならないくらい楽しめました。
魅力あるキャラクターたちが成長していくさまはもちろん、この物語の特色はやはり都市の成長にスポットライトがあてられているところ。
はじめは何もなかった都市が発展していくさまには、子供のようにわくわくさせられました。
その他にも、せつない恋模様や緊迫感ある戦闘シーン、未知の生命体との交流など、みどころは盛りだくさん。
ページは多いですが、中身が濃いために冗長さをまったく感じさせませんでした。
価格に見合った、もしくはそれ以上のものを提供してくれた、素晴らしい一冊です。
小川一水初のハードカバー、渾身の一作 風の邦、星の渚―レーズスフェント興亡記
SFを主戦場に様々な趣向の作品を書く小川氏の最新作。
今回の趣向は歴史ファンタジー。
中世終期、14世紀のローマ帝国(ドイツ)に起きたひとつの街の勃興を四半世紀にかけて描く。
あらすじ:
帝国の辺境、モール荘に若き騎士が荘司として遣わされた。
事実上の流刑である。
そして、着いた先の村は騎士の想像する以上に枯れ果て、死にかけた村であった。
そんな僻地に着任した騎士が内情の把握に努めるのもつかの間、蛮族による襲撃予告がもたらされ・・・。
というように始まる“レーズスフェント”なる街の成立から発展までの一大記。
中心となり奔走するひとりの人物をメインに、街や都市などのコミュニティの興りからその繁栄・維持、幾多の苦難が描かれます。
これがもう、読み進める間の高揚・興奮や読後の満足感の充足振りがたまらないです。
この分野は『第六大陸』や『復活の地』(こちらは既にあるものの再建ですが)といった前歴がありますし、小川さんがもっとも得意とする領域なのかも。
小川作品を読む度に言っている気がしますが、「さすが」の一言を送りたい作品。
ちなみに地理や歴史的な当時の勢力図など大雑把な概観は史実に因ります。
但し、当時には絶対なかった要素としてファンタジー・・・というよりSFでしょうか、地球外の生命体が物語に深く関与してきます。
とはいえ地球外と言っても時代が時代であり、物語が星間規模にまで発展するような規模の拡大はなし。
エイリアンといったものでもなく、単純に「人ならざる超常の力を持つ精霊や土地神のようなもの」が居る物語と考えて頂ければ良いです。
これまで文庫で著作が発売されることが多かっただけにハードカバーの今回はお値段も張りますが、それだけの価値はあります。
お薦めです。
傭兵ピェールとレーズフェント 風の邦、星の渚―レーズスフェント興亡記
この作品を読んでいると佐藤賢一の「傭兵ピェール」を彷彿させるものがある。片や15世紀、百年戦争のフランス。このレーズフェントは14世紀の神聖ローマ帝国の辺境。と場所は違えど、雰囲気はよく似ている。また、主人公の背景。片や、伯爵家の私生児、片や、男爵家の異母兄弟の三男と背景やラストのあたりまでが同じような立場となっている。更にピエールには勝利の女神がおり、レーズフェントには泉の妖精が味方をする。異なる点を上げるとレーズフェントにはファンタジー的SF要素があり、ピエールはビターな大人のファンタジーという趣であろうか。兎にも角にも、ピエール以来の読み応えのある中世の物語で嬉しくなりました。レーズが気に入った方は、佐藤賢一の「傭兵ピェール」や「双頭の鷲」をお読みいただくことをお勧めします。別な舞台で、この感動をもう一度味わえます。レーズは、小川作品の中では、自分的に「復活の地」「砂の王」「導きの星(4巻のみ)」に匹敵する代表作となると感じています。
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