時代の流れ(S字波)と連続性を『社会システム』というテーマでまとめた良書です。「国家の時代」→「企業の時代」→「智民の時代」へと進化する過程、現在は「智民の時代」への第一歩目であることが説得力を持って示されております。
インターネットとケータイによる情報社会を前提とした自己組織システムと『共の原理』による創発によりどのような世界がやってるくるかは想像つきませんが、とてもワクワクします。
『ウェブ進化論』を読んでさらに深く考えたい人におすすめの一冊です。
本書はオタク文化やスマートモブズといった情報社会の変遷への興味を出発点として、シグモイド曲線に似た「S字波」をモチーフとした文明論、地域通貨への洞察、そして、べき乗則の世界へと展開されていく。実に私と関心が共通なことにびっくりした。参考図書のリストに、バラバシや、高安先生があがっていたのもうれしい。安富先生の「貨幣の複雑性」とも共通の問題意識を感じる。
最新社会理論のエッセンスと著者による考察、問題意識、問題提起、そして綜合的な視点がコンパクトにエッセンスとしてまとめられた一冊である。アカデミズム外の人間にも、最新ネットワーク理論であるとか、あるいは、歴史であるとか、碩学・実学の著者の綜合智を理解できるように平易に記されている。
非常に充実した注を飛ばして、ひとまず、通読しました。というところであるが、現在、もの凄い勢いで変化が進んでいる情報ネットワーキング環境と、その中で生きることの意味合いがよくわかる。本書において要約されている、今後のこの社会を読み解く斬新な切り口である「社会的ネットワークとベキ法則」は、めまぐるしく成果が上がり続けるであろうこの分野への、勤労者・市民等、ゆったりと時間をとれない人たちへの格好の入門書であるかもしれない。
最終部で展開されている「情報社会の運営原則」は、さりげない筆致でありながら、今後の社会変革の指針であり、著者の志のありかであるかもしれない。特に、「情報社会において、いや情報社会においてこそ、ベキ法則はいたるところで発現することを不可避の現実とみなし、それが生み出す不均等効果を除去・軽減するのではなく、むしろ積極的に容認し利用することを大きな目標とする」という第一原則をはじめとして、各原則は今後の社会のあり方の本質を洞察された結晶でもある。
二回目以降、読むときには、まず、ここから読む。それから整備された索引を頼りに、興味・問題意識に叶うところを注を含めてしっかり読む。そのような読み方で、今後の社会を見、考える目の涵養を図ることにしたい。