雑草の本をさがしていたら、たまたま関連書としてこの本の表紙が目に入った。まん丸い朝露を載せた芽生えたばかりの双葉のなんとみずみずしいこと!『タネはどこからきたか?』という本のタイトルにも惹かれた。本は、想像に違わず植物の持つ不思議さと美しさに満ちあふれていた。
なぜ動物と違って植物はタネを親から離れたところへはじけとばしたりしようとするのか?その場を移動することができない植物にとって子孫を自分と近いところで芽生えさせることは、害虫や病気、環境の変化で種が全滅する危険をはらんでいる。だからタネを遠くに根づかせようとするのは、植物の母ごころというわけなのである。タネの冒険の最初のページから、このような自然の持つ理に気付かせてくれる。
さらにこの本を魅力あるものにしているのは、ふんだんに載せてある写真の美しさである。スミレがタネをはじけ飛ばすまでのコマ取り写真はなんといっても圧倒させられる。日頃考えたこともないタネが弾けるということにも、このようなシステマティックなメカニズムがあり、その上こんなにも美しいなんて。生きとし生けるものはこんなにも生き延びるように運命づけられていることに素直に感動させられた。