カスタマーレビュー
このコンビにとって思い入れの強い作品なのかもしれない 海景酒店―Hotel harbour‐view (Action comics)
‘82〜85年に発表された連作短編を収録した作品。ユーモアが殆どない哀しみ漂うハードボイルドである。
1.グッドラックシティ‘82年に7回連載
1回5P程度のカラー作品。ある『女』を忘れられない『男』がいる。彼は殺し屋達に命を狙われている。組織を裏切ったのかもしれない。この男の姿を、セリフなしの縦割り四コマで描き、ページの一番下にナレーションを挿入するスタイルで表現した映画的な作品。この作品は連載打ち切りになった。その理由を著者は述べないとしているが、この手法が連載作品としては実験的過ぎたのかもしれない。
2.迷子通りのレストラン’83年
娘をある国の外交官に殺されたバーテンダーが外交官を追ってベネズエラまで行き復讐を果たす物語。ベネズエラの街角で『女』は彼に「なるたけ死なないで」と声をかける。
3.つかの間の恋‘83年
『男』がパリに戻ってくる。その男を殺す役目を引き受けたのは、昔、彼と一時を過ごした思い出を持つ『女(殺し屋)』である。彼女は男に自分を思い出させてから殺そうとするのだが彼は思い出さない。しかし、彼は殺される間際に彼女の名前を叫ぶ。
4.海景酒店’85年
香港のホテルで毎日娼婦を呼んで過ごすある男のもとに『女』の殺し屋が訪れる。そして彼は殺される。『男』も少し登場するので時間的には3.の前。
2〜4は普通に表現されたマンガである。1と他の作品にはっきりとしたつながりはない。僕は3を読んで始めて全てが二人の『男』と『女』を巡る一つの作品だと理解できた…。もしそうだとすれば、著者(谷口・関川)は1の打ち切り後も表現方法を変えて発表を続け、完結した後も4.を発表したことになる。思い入れの強い作品なのかもしれない。このままでもいい作品なのだが、もし1の方法でこの作品が完結できたならこのコンビの代表作になっただろう。他に「東京式殺人」を収録。
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