カスタマーレビュー
敢えて作者に申し上げたい 夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)
私はこの漫画はいい作品だと思っているし、こうのさんの飄々とした作風も好きである。でも敢えてこうのさんに申し上げたい。日本は朝鮮を侵略はしていない。きちんと下調べをした上で作品を仕上げる方だけに、この先入観(ですよね?)は大変残念に思う。
被爆者もメディアミックスの対象にするのだろうか 夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)
メディアで話題になっていたので買って読みましたが、
以下、誤解を受ける覚悟で書きます。
「夕凪の街」は『黒い雨』に類似する内容だけに、もう少し別の視点から描けなかったのか、と悔やまれます。
「桜の国」は、東子が主人公の弟と関係を持っていると判明するラストのあたりで恣意的なものを感じて嫌悪感が残りました。
双葉社という出版社はちょっとヤクザで不謹慎なところがあるだけに、このような重いテーマをあえて扱った背景には、何かしら不純な要素も多分にあったのでは、と勘ぐってしまいます。
(こういう本を出す一方で、田母神氏 独演会の本も出しているという事実を、見逃さないように!)
あえて言います。
被爆者を見せ物にするな、と。
追記 「評価が高くない有用性のあるレビュー」(何の日本語だ?)に選ばれました! 万歳!!
こんな怖くてチャーミングで悲しいマンガ見た事ない! 夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)
如何した事だ!
こんな感想をいだくなんて、私は如何かしているのだろうか?
(こんな怖くてチャーミングで悲しいマンガ見た事ない!)
絵柄だけじゃない、くすぐったい様な感じ…あったかいよ!
生きてる。だけど…さびしい、くるしい、こわい
世界は、何だかとってもキラキラ'キラキラ'してて…
なのに、何んで死なないといけないの? なに…
へんなの!?
戦争や原爆の漫画だと思わずに読んでほしい 夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)
原爆後のヒロシマで過ごす被災者や被災二世の人々を三部に分けて描いた漫画。手塚治虫文化賞新生賞ほか数々の賞を受賞しています。
作者のこうの史代さんはほのぼのした絵柄とストーリーで定評のある人です。だからこの漫画でも、よく教科書に出てくるような、戦争の悲惨な絵はほとんど表現されていません。
しかし、原爆投下の10年後と42年後と59年後(ごく最近)の被災者たちの「哀しみ」がリアルに描かれています。
自分は「こんなに遠回しなのに、こんなに戦争の現実が感じられるもの」は今まで読んだことがなかったです。
登場人物がわりと多く、それでいて、過去と現実が交錯する場面があるので、一度読んだだけではわかりにくい面もあります。だから一度目はそれほど感慨深くありませんでした。特に「桜の国」のほうではあまりにほのぼのしているので拍子抜けな感がありました。
でも、すごいのは「二度目」です。二度読むと、一度目ではわからなかった三つの話の人間関係が急につながってくるのでかなり涙腺がやられます。読めば読むほど深く感じられる漫画だと思いました。高く評価されているのも納得の一冊です。
「戦争の悲惨さを伝える」となると、視覚的にリアルなことや、被災者の体験談など、どうしても直接的な表現になりがちです。だから逆に、目をつむったり、耳をふさいだりしてしまいます。本当に、悲惨すぎるから。
でも、この漫画のような「間接的な」「遠回しな」表現は、抵抗が少なく読めるわりには、ストレートに心に伝わってくるような気がしました。
日本人なら読んでおくべき本だと思うんですが、押しつけがましく読ませるのはこの本には似合わないです。戦争や原爆の漫画だとも思わずに、ほのぼのとした表紙に惹かれて読む、そんなふうに読んでもらえることを個人的には望みます。
戦争を知らない僕たちから 夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)
私は長い間広島で育ち、広島で生活してきました。しかし、私の住んでいた広島は「ヒロシマ」ではなく「広島」ですし、私の知っている原爆は「ピカドン」ではなく「原子爆弾」でした。著者の寄って立つ世界は私のそれと似たものであるように感じます。私が聞いた原爆は地獄であり悪夢であり死そのものでしたが、それを語るすべての人の人生が原爆のみであったとは私には到底思えません。そんな人生ならおよそ何十年ものその後を生き抜くことはできなかったでしょう。当然ながら喜びがあり楽しみがあり幸せがあったのではないか。そう想像する事は被爆者への冒にはならないと思いますし、そう描いている本書もそうだと思います。しかし、そんな日々の何気ない日常に世代を越えて影のように寄り添う原爆。その悲劇は、あの8月6日を生き残った世代にはあくまでその後であり、十分には描けなかったものなのではないでしょうか。本書はあくまで読んで楽しい娯楽として、商品としてのマンガの分を犯さず原爆を語っています。誤解を恐れずに言えば、原爆は物語の悲劇要素のひとつとして代入されているともいえるでしょう。本書では原爆は普通の悲劇なのです。中沢啓治氏が描くような劇画的な陰鬱さと力強さは原爆を直に体験した者にとっての最善の“文体”であったかもしれませんが、読むにはかなりの覚悟が要りました。それに比べて本書はとても淡白で実に読みやすい。これは原爆を特別な悲劇と捉えるならば忌むべき事かもしれない。しかし、宮崎駿を思わせる単純でありながら濃密な“文体”は娯楽という形で日常の中に原爆を呼び込むことに成功しているのです。私も著者と同じように原爆に近づくことをはばかって生活してきました。ヒロシマは広島と違うと。しかし、著者はこのふたつをかくも鮮やかに繋いで見せてくれたのです。本書を閉じればもうあの日はいつかの出来事ではない。今そこにある事実なのです。
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