カスタマーレビュー
土が無ければ花は咲かない 愛と死をみつめて ポケット版 (だいわ文庫)
綾小路きみまろが中高年のオバサンを「自分は違うと思っている」と定義した通り、他人の問題だと「完璧な人間など存在するはずがない」を忘れやすい。 簡単に会えず連絡も取れない二十歳の恋人達の至らなさを責めるのは酷というものだ。 相手が難病になったと分かった時点で別れた人間が何人もいるのに、この二人は別れず、互いに出来る限りの事を最後までやったのだから文句を付ける余地は無い、全く無い。 人間の真価は困難に遭った時に分かる、という言葉通り言い訳が不要な人間である事を示した。
完璧とは程遠い人間が他の人間を愛するのだから、愛は簡単に迷走する。だから「純愛」は耳に心地良い言葉だが良い結果になるとは限らない。 この二人が最後まで別れず支え合ったのは、愛情の道案内をした「善」と「強さ」があったからだ。古い言葉なら「仁、義、礼、智、信」の五常か。これらのものがあったのは二人の手紙から分かる。
二人の愛情の美しさに目を奪われやすいが、その愛情を育む「土」が無ければ「花」は咲かない。 たとえ「花」が枯れ「実」を結ばなくても、「土」に帰り他の「花」の栄養になり育てる。 こういう「古典」になるための条件を『愛と死をみつめて』は満たしている。 実際に辛い人生を送りながら最後まで諦めなかった恋人達の記録は大きな力を秘めている。かつての様に膨大な量が売れる事はないだろうが、決して絶版にしないで頂きたい。
良書である。是非御一読を。
何度も読みたくなります 愛と死をみつめて ポケット版 (だいわ文庫)
私は、中学生の頃、NHKの白黒の愛と死を見つめての映画を見て興味を持ちました。中学生の頃はただミコさんが可哀想と言う感想しか持てませんでしたが、20代になり、本があることをしり、図書館で借りて読んでみました。メールでは伝えきれない何かが2人の手紙にはあると思う。そして決して耳障りのいい言葉ばかりが並ぶわけではないけれど、ミコとマコの真摯な愛情や葛藤は、メールに依存して当たり障りのない人間関係しか築いてない私たち若者にもちゃんと伝わってきて本当の愛は心から生まれるんだと教えてくれる1冊と思う。 そして、今の私たちが便利に成ったがゆえに、忘れた物。人を愛する苦しみや楽しさ。愛する人を思い生きる事の大切さをミコさんとマコさんは、この本を通して私たちに教えてくれたんだと読んでみて感じました。そしてミコさんは、愛し愛されてたくさんの事を学び亡くなったけれど。マコさんの幸せを誰より望んでいたんだと私はこの本を読んで感じることができた。私は、また読みたいから、今度は借りるのではなく買うつもりです。
死よりも愛別離苦。 愛と死をみつめて ポケット版 (だいわ文庫)
私は30代後半ですが、中学の頃、年上の男性と文通したことがあり、ミコが「手紙を待つ間」配達の人が来るのを待ち望む気持ちはわかりました。今、メールの時代、悪くないけれど、これほど内容の濃い文章はなかなか書けないと思います。(みち子さんの日記を併せるとより理解できますが…)病と闘い気丈にふるまいながらも、女性としてマコを愛し、愛することで死より、マコとの別れが一番怖かったし苦しかったのではないでしょうか?明るく家庭的で輝いているミコにはマコだけではなく誰もが惹かれたと思います。命が危ういだけでなく、女性には辛い顔の手術。マコの愛の光をどれだけ幸せに感じたでしょう。また悲しく苦しかったでしょう。またマコも同じだけ苦しかったことでしょう。この文通の記録本は愛することの全てを教えてくれます。21歳で愛すること、喜び、苦しみ、思い遣り、もし、病気でなかったら…そう思いながら読んでしまう本です。
壮絶なる愛の記録 愛と死をみつめて ポケット版 (だいわ文庫)
この書簡集を発表した河野さんの行動は、正しいと思う。人間は、忘却ということから逃れられることはできない。河野さんが二人で交わした手紙を本にしたのは、ミコという、素晴らしい女性が確かに存在したんだということを、ミコへの愛が薄れないうちに、心の中でミコが生き生きとしているうちに、多くの人に知ってもらいたかったからだと思う。 また、書簡集を出すことにおいて、河野さんには何ら躊躇することはなかったと思う。何故なら、ミコは嘘も打算も無い自分の手紙を公にされたところで、立腹するような小さな器の人間ではないことを知っていたからだ。そして、河野さんは慢性的な愛欠乏症にある人間社会において、とても多くの愛に恵まれた人だと思う。自分との純粋な愛を最後まで貫きながら、ミコは死んだ自分に束縛されることを嫌い、自分の死後は他の女性と幸せになることを願った。手紙を燃やして欲しいと願った理由は、まさにここにある。ミコの死後、マコは他の女性と結婚することになったが、マコの妻となった人も、相当の覚悟を決めた芯の強い女性であると思う。肉体は滅んでも、ミコの魂は無くならない。マコとミコは永遠に魂でつながっている。そんなマコの妻となる以上、「ミコを含んだマコ」を生涯愛さなければならない。このことも壮絶なる愛の一つだと思う。慢性的な愛欠乏症にある人間社会に対して、これほどの愛を示した実話を私は他に知らない。43年前の実話といえど、色褪せることなど無いに決まっている。 この本を非難する人もいるようだが、そういう人は、本当に人を愛したことが無い人ではないだろうか。自分達の育んだ愛が本物であるのなら、誰に対しても堂々とその愛を語れるはずだ。猜疑心のある愛など虚構に過ぎない。誰もが欲しくても得難いけがれ無き愛が、ここに存在し、そして今も生き続けている。
人を愛するということはどういうことか 愛と死をみつめて ポケット版 (だいわ文庫)
人を愛するということ、生きるということはどういうことか、を教えてくれる1冊だと思います。内容は、マコとミコが阪大病院で知り合って文通を始めて2年後、ミコが不治の病で再入院するところから、最後までの手紙収められています。あとがきによると、収録したのは手紙全体の2/3程度であり、文庫本にする際にさらに冗漫な部分や、二人に関係ない部分をカットして読みやすくした、となっています。
本書はあくまで実際にあった「手紙」です。小説のように読者をどこかに導こうという意図はありません。どういう感じ方をするかは、読み手に任されています。しかし、いわゆる「恋愛」ではなく、人を愛するということがどういうことなのかは分かると思います。
実際にあった話ですので、マコさんはこの数年後に結婚されたと聞いています。当時も現在も、異論はあろうかと思います。詳細は私が知る由もありませんが、その事実だけで批判をするのは、この本をよく読めば、間違いであるkとにすぐ気がつくはずです。むしろ、ミコさんを愛しているからこそ、そうされたのではないか、と私は思います。そういう愛を感じられる本だと思います。
なお、書中で一部引用してありますが、「若きいのちの日記」は本書と同時進行のミコさんの日記です。こちらも読めばより詳細が分かるでしょう。そして、マコとミコの愛だけでなく、ミコサンの周りにあったたくさんの愛も・・・。
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