私の学生時代の恩師であり、わが国組織論の第一人者である稲葉先生のジュニア向けの書物です。平易な記述ですが、組織論のエッセンスが散りばめられており、内容は高いレベルです。大学で経営学、経済学を専攻したい中・高校生、将来国際的なビジネスパーソン志望の中・高校生、そして中・高校生の子供を持つ両親におすすめです。
高校や大学で商業やビジネス論を教えています。企業の活動内容に着目した入門的な教科書として読むと良書だと思います。現代社会の変化の底流が情報化や環境,高齢化,国際化などのキーワードから具体的にまとめられているので,導入もわかりやすい内容となっています。また,企業の活動内容も資金調達から財務・人事・購買・生産・販売など自動車メーカーの活動を事例にしながら企業機能が具体的に描かれ,さらに企業のしくみとしてマネジメントや経営戦略まで一通りのことが説明されているので,企業経営の総論としても十分な内容でしょう。私の知る限りですが,このような内容の本はなかったと思います。しかも教科書として使えるようなものは…。
本書にはもう1つ重要なポイントがあります。それは,こうした企業が国境を越えて活動する様子を社会論として取り上げていることです。経済活動にみるグローバル化の様子と問題点が明快に示されています。こうした地球規模の結びつきが深まるなかで,1人ひとりの個人がどのような生き方を選択していくことができるのか,現代社会の問題点の指摘とともに,NPOやNGOなどとの関わりの事例も示されており,若い人にとって進路を考える基本的な視点を示しています。
今の時流に合った読み応えのある本です。高校生や大学生などに一読させたい1冊です。新社会人の教養書としても、オススメですよ。
米国の航空機テロ事件以来,国際社会の中の不安が高まっていく感じです。本書は,国境を越える企業活動が活発な経営資源の移動を生み出し,グローバルな結びつきをつくりあげている構図をわかりやすく描き出しています。「グローバル vs ローカル」の説明などは,まるで今回の事件を予想しているかのようでした。企業経営の入門書としても読めますが,現代社会の様子を知るうえで格好の1冊だと思います。学生が読んでも社会人が読んでも面白い内容ですね。