本書の目次を読み終えると黒いページにぶつかり、以下のような白抜き文字が目に飛び込んでくる。
「生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終わりに冥し」
空海の『秘蔵宝鑰』の序に出てくる章句であることは言うまでもないが、空海の思想を余すことなく伝えている章句であるだけに、改めて受ける衝撃は大きい。そして、この本は単なる仏教論・空海論の範疇を遙かに超えている。人類史、生命史、地質学、分子生物学等の森羅万象を扱った本であり、百科全書派を彷彿させてくれる本である。
併せて、同じ松岡正剛氏の手による「蘇る空海」(上巻・五大に響き有り)(三密に加速する)というビデオを鑑賞することにより、空海の新しい立体像が得られると思う。