当時の日本人はどのように対処していったのか、について全体的に色々な視点から理解できるよう分かりやすく書かれている良書です。
『日蓮と蒙古大襲来』となっていますが、当時の仏教勢力に関しては、日蓮以外の勢力についてもしっかりと書かれています。そうであるのに日蓮を前面に出したというのは、日蓮が『立証安国論』という建白書のなかで他国侵逼難(後に蒙古の襲来となって実現)、自界叛逆難(後に二月騒動といわれる血を分けた兄弟同士の権力争いとなって実現)という二つの予言を的中させた人物として考えれば当然なのかも知れません。
ただし、本書は日蓮についてのみ書かれている本ではなく、未曾有の国難をズバリ言い当てた日蓮と国難に実際に遭遇した当時の日本の姿を分かりやすく描いた本であります。
来るべき国難がどのようなものになるのか、日蓮と違い私には分かりません。しかし、来るべき国難をすぐ目の前にしている今現在、かつて国難を前にした日本と日本人の姿を歴史に学ぶことは重要なことであり、必要なことではないでしょうか。