カスタマーレビュー
戦慄のピカレスク・ロマン 白昼の死角 (光文社文庫)
横溝正史・森村誠一に続く第3の男として登場したのが、
高木彬光氏でした。
本作はその高木氏の代表作でもあり、角川お得意の
メディアミックス戦略の下、映画化もされました。
物語は戦後まもなく話題となった『光クラブ』事件を下敷きに
主人公、鶴岡七郎が奇想天外な手口と胆力で遂行した悪事を
彼を取り巻く多彩な人間模様とともに一気に読ませます。
戦後まもなくの混乱期、日本のその後の高度成長を窺わせる
ようなやり取りや描写もあり、大変興味深いものがありました。
現在の複雑な金融事情やモバイル・ツールの犯罪への
応用ぶりからすればかなり“アナログ”な印象はあるものの、
その着想や人間の心理を読み尽くして臨む一連の“犯罪”は
もはやアーティストが作品を紡ぎ出すかのようです。
高木彬光氏のその他の代表作といえば『検事・霧島三郎』
シリーズが有名ですが、他にも『邪馬台国』や
手相や易学にも造詣が深いことでも知られています。
悪事に魅かれる人間の弱さ、悪事によって得たものの儚さや
脆さを最後には鮮やかに描き切っています。
正統派もいいですが、変化球も悪くないと思ってる人には
絶対おススメです。
原作もよいが、毎日テレビ版も秀作。 白昼の死角 (光文社文庫)
素晴らしいピカレスク小説です。
今となっては、難しい犯罪もありますが、
読んでいて、主人公になりきっていました。中学2年の時です。
テレビ版も良くできていました。ラストは、原作と違いましたが。
なんせ、渡瀬恒彦氏が、トマトジュースを大量に飲んで、吐血の
演技をしたような、がんばった作品です。
単行本もあるし、早くサントラもテレビもCDやDVD化を
期待しています。
一気に読めます 白昼の死角 (光文社文庫)
冒頭はこの小説の主人公である鶴岡が、推理小説の作者にこれまで自身が首謀した犯罪を語り聞かせる場面からはじまり、その告白を元に書かれたものとされています。
序盤に描かれる金融犯罪(ヤミ金)は、実際に起きた「光クラブ事件 / 山崎晃嗣」として知られる(白昼の死角では太陽クラブ)現役大学生による金融犯罪がほぼ事実通りで、主人公鶴岡はこの太陽クラブ(光クラブ)の残党という設定です。
このように事実を小説序盤のプロットに用いたことで、その後描かれる奇想天外な詐欺・金融犯罪の数々がいかにも真実をおびていてグイグイ引込まれていきます。また殺人は犯さず、法律の盲点を隠れ蓑とし「丸見え」の尻尾をつかませませず、理論武装であるときは立ち向かい、ある時はのらりくらりとかわす鶴岡の姿はまさにアンチヒーロー。脇を固める仲間、協力者、女性、被害者はみな個性的で物語を引き立てています。
昭和の肌触り 白昼の死角 (光文社文庫)
高木彬光という作家は知られているようで案外知られていないような気がしている。
高木の仕事を振り返ってみると その多彩な作品に時に驚きを感じる。「ジンギスカンの秘密」「ノストラダムスの予言」「連合艦隊ついに勝つ」そうして 本作である「白昼の死角」を同じ方が書かれたということは 実は相当の事件なのではないかと思う次第だ。
本作を高木彬光の代表作に推す声は多いし 大きいと思う。確かに金融犯罪小説としての本作は 時代を劃した作品であったと今でも思う。
但し 本作が長生きを得ているのは 単なる金融犯罪小説には止まっていないからだと思う。
「光クラブ」という戦後の史実を踏まえた冒頭から 最後に至るまで 高木彬光はきちんと終戦以降の昭和という時代を踏まえている。その時代の風物を見る目の確かさが 21世紀の現在に本書を読む際の大きな興味の一つだ。ざらりとした「昭和の肌触り」が本書の徳なのだと思う
繰り返すが 案外 高木彬光は忘れられている。但し 見直しがされる時代も来るのではないか? そんな期待も個人的には持っている。
神も悪魔も恐れざる男 白昼の死角 (光文社文庫)
「法は正義ではない、法は力である
私はそれを実証してみせる
神も悪魔も恐れざる男 鶴岡七郎」
冒頭に記されたこの言葉から、皆さんは何を連想するでしょうか?
自らの中に潜んだどす黒い悪の本性を燃え上がる炎の中から感じ取った鶴岡
舞台は戦後の混乱期、システムが行き届いた現在ではその現実性は少ないとは思いますが主人公の犯罪者としての心の動きと彼を取り巻く周りに人間模様
犯罪小説史上に残る傑作です
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