なぜ犬は人間を愛してくれるのか?
誰でも考えたことがあるであろうこの疑問を中心に考察した本。
著者の見解には多少強引さと矛盾がみられるものの、引用されているエピソードや、研究、学説はとても興味深い。
たとえば、感動させられるものとしては、19世紀ミズーリ州での、飼い犬を殺した男に対する裁判で、原告の代理人が行った演説、
ナポレオンが戦場でみた、死んだ兵士のそばにたたずむ犬の話、森で迷った知的障害の少年を救った2匹の犬の話など。
逆に胸が痛むものとしては、ドッグレースのグレイハウンドの運命や、著者も書いているとおりあまり重要とは思えないうえにとても残酷な動物実験等。
そしてまた、これらの不幸な犬たちを救おうと努力する人々も紹介されている。
訳文は読みやすいし、邦題のセンスもよい。それに表紙や章の扉ごとのさわやかなイラストもよい。
読み終わったあとは、「犬畜生」という言葉が誉め言葉に思えてしまうような一冊。
・・・ちなみに、私は犬ではなく猫と暮らしています。