東京大学農学部4学期の授業テキストとして作られた教科書ですが、概論として、土壌の入門書としては
立派な出来ではないでしょうか。私は土壌の専門家でもなんでもないので、あくまで「たぶん立派」なのですが、
特に物理的な分野はわかりやすかったです。同授業の内容や試験との整合性も高いです。
まず、最初に物理的アプローチをしている部分が50ページほど続きます。内容としては、ミクロ的な「土壌間隙」に
着目し、マトリックポテンシャル(保水に関する指標のような)、水・ガス・溶質のフラックス(移動の速度)、
イオン交換、熱伝導、キャピラリーバリヤーなどなどです。ところどころグラフや文字式を導入して説明しています。
なかなか読み進めるのが大変ですが、かなりわかりやすいと思います。
また、文字式などが理解に苦しむようなら
軽く流して文字を追ってもある程度理解が得られると思います。
次に、もっとマクロ的・地学的に見た土壌の話になります。問題土壌、物質循環(よく見るやつですが)、
有機物・無機物と農業、砂漠化etc…。特に微生物の働きなどはくわしいです。
最後に土壌分類をして、特に熱帯地域の土壌を扱っています。
ちらほら誤字脱字が目に付くのと、土壌分類の説明を2人の著者がやっていて、しかもカタカナ表記違ったりして、
ここは統一するとか、もうちょっと関連付けられるんじゃないの?と思いましたが、全体としてはかなり素晴らしい
のではないでしょうか。
東京大学の本の題名と同名の授業を受けない人でも土壌の入門書として十分用いることが出来ると思います。