カスタマーレビュー
心がチクチクしました 海がきこえる〈2〉アイがあるから (徳間文庫)
「海きこ1」では、拓の高校時代回想シーンでほぼ出来ていて、そのため物語と同様に淡々と読み終りました。
しかし「海きこ2〜アイ」では、その後のストーリーが、1とちがいリアルに切なく進みます。
父と父の再婚者との関係に悩むリカコの気持ちも1よりずっと、ぐっと伝わってきて、心がちくちくしました。拓といっしょにリカコを励ましてあげたくなります。こんな気持ち、1になはかったな。
特に、さすが氷室さん!圧巻したのは、リカコと、義母(内縁だけど)のレストランの食事会のあたりから伏線がしかけてあって、ラストにかけて解かれていく事実に息を呑んだり、登場人物の気持ちもそれぞれの立場で想像がふくらみ、途中で読むのをストップするのが出来なくなるし、どうしても切なくなって、読み終わっても物語の余韻が全然消えないところ。氷室さんの物語、これからももっともっと読みたかったな。
後をひく小説 海がきこえる〈2〉アイがあるから (徳間文庫)
ジブリ製作の海がきこえるを見てどうしてもこの後の二人が見たく購入しました。アニメのラストシーンではそれまでなんというか、わがままな里伽子が大人びて非常に落ち着いていたのでこの後から本当の二人になるのだろうと思いました。しかし里伽子の本質というものは変わっておらずとてもある意味サバサバした関係が続きます。僕は二人の仲が親密になり大人の恋愛(へんな意味ではない)が始まるのだろうと思っていましたが実際はそうではなく、相変わらずの青春を送っていることに少々がっかりしました。しかしこうなったのは自分が大人の仲になると思ってしまったことにあります。なぜそう思ったかというとアニメのラストシーンで里伽子が会いたい人がいるから高知まで来たというセリフがあるからです。これによって里伽子は自分に正直になったのかと思ったのです。そこでなぜこうなったのかを確かめるため小説の1を購入し読んだところアニメのテンションと小説のテンションが異なっていることに気がつきました。小説をはじめに読んでいたらあのような期待を僕はしなかったでしょう。里伽子の状態が明らかに異なるため、小説とアニメはまったくの別物であると僕は思っています。アニメで続編を作ったら必ずしも小説と同じシナリオにはならないだろうと思います。
総じて感想を述べると、小説ではアニメよりもはるかに切なさがあります。読者としては拓と里伽子のある意味ゴール的なものを望みます(男性、女性で異なるかもしれないが)。しかし里伽子の正直な気持ちを拓は聞くことができません。というより里伽子は自分の正直な気持ちを言うような女性ではないのだと、拓は後で気づきます。しかし全てを受け入れても里伽子が好きだという拓に切なさを覚えるのです。この小説、というより作品は、はっきりと気持ちを表さず、また自分の弱さを見せたくないという里伽子にいつのまにか拓も読者も魅力を感じてしまうという不思議な小説なのです。
海がきこえる・続編 海がきこえる〈2〉アイがあるから (徳間文庫)
高知から上京した拓と高知から東京へ戻った形になる里伽子の大学生活。 両親の離婚以降歯車が狂い始め東京在住時代と同じように振る舞っていてももうあの頃のような屈託には戻れない里伽子が切ない。 拓は「北里マドンナ」「冬のディーン夏のナタリー」などにならぶ氷室作品の描く男子の真骨頂。 普遍性がありながら当時の空気を存分に孕んだ作品。 沢山の有名作家が語る「東京物語」と読み比べても面白いのでは。
半永久的な青春小説、大學編。 海がきこえる〈2〉アイがあるから (徳間文庫)
海がきこえる、拓と里佳子の大学編ストーリーです。
前作、高知に戻って、物語がどこか懐かしい穏やかな雰囲気に
包まれていたのに対して、東京に帰ってきて、あわただしい
喧騒に囲まれた生活が復活すると同時に、二人の関係もまた
どこかかみ合わない、ギクシャクしたものと戻っていきます。
そんな中でも、割と冷静に少々冷めた様子で自分を見つめている
、また同時に里佳子の複雑な心のうちもなんとなく理解してあげる
拓が、ものすごく印象的で、好感が持てます。
里佳子が素の心を拓にさらけ出す最後のシーンは、心が通じ合う、
信頼する、ってこういうことなんだよね、って、読んでいる自分も
気持ちが高ぶるのを感じました。
普段忘れがちな何か大切なものを、読み手側に再び思い出させて
くれる、そして、心を暖かくさせてくれる、こんな気持ちを
自然と感じさせてくれる作品は、他には見当たりません。
私にとっては、不朽の名作です。
海がきこえる、完結編。 海がきこえる〈2〉アイがあるから (徳間文庫)
海がきこえる、続編です。 友人松野との和解、そして里伽子との出会いと実り多き帰郷をした 主人公拓が、東京に戻って、里伽子とうまく行くのか、と思いきや、 そうはうまくいかない、実に現実の世界を感じさせるリアリティさを 存在させながら、物語はあいかわらず淡々と進んでいきます。 ただ、今までと違い、拓と接するうちに、里伽子も徐々に拓に自分の 本心をさらけ出すようになっており、そこは拓に対する里伽子の 信頼度も上がっている様子が伺えます。 そして、里伽子と拓が本当の意味で通じ合える場面が、この作品の クライマックスにあります。 里伽子のいいところも悪いところも全てを受け入れて、里伽子の事を 本当に好きなんだなぁ、と感じさせる拓、そして、なんだかんだいって も、やっぱり拓のことを頼りにしている里伽子、お互いがお互いを 信頼している様子は、読んでいてすごくさわやかな気分になりました。 やっぱり、これを超える作品はない!、と再確認させられました。 海がきこえるファンは、必読すべき作品です!
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