世界同時不況を引き起こした強欲資本主義関係の本を読んでいてよくこの本が引用されるので早速読んでみました。 規制緩和がいかに日本的経営・労働環境そして風土・人間関係までを破壊してかが実例をあげて書かれています。10年以上も前の原著が今でも色あせずに鋭い問題提起をしていることにまず瞠目。そして、規制緩和の負の側面に目をつぶった、あるいは、気が回らなかった自分に唖然。 そして、それを煽った学者・マスコミ・政界・官界に怒りを感じました。なんと浅はかな! 今回の世界同時不況を機会として日本再生があるでしょうか。
いわゆる規制緩和が、いかに大企業や投資家に有利で、その一方で庶民の生活を苦しくするという矛盾を生じさせたのかを、アメリカの実例を交えながら書いた本である。私は単行本も読んだことがあるが、単行本の内容に加え、文庫オリジナルのまえがきや書下ろしがあるので、単行本の読者もぜひこの文庫本を買ったらいかがでしょう。
ところで、この本の単行本は1995年に書かれたが、10年たってもぜんぜん古くなっておらず、今なお問題を提起している。そういう意味でこの本は日本経済を語る上での古典になったといえよう。
総選挙を目前に控えた今、読んでいただきたい本。小泉政権の経済改革の理論的根拠を支えた竹中氏の根拠と先進国アメリカでの実際はどうなったのか、を理解することができます。日曜午前のある番組で常連のようにコメントしていた竹中氏の意見を盲目的に正しいと信じていた方にぜひ読んでいただきたい。規制緩和と経済改革がもてはやされた小泉政権の4年間、私達は将来安心できると実感できたのだろうか? その答えを考える一助となる本でる。
単行本として出版されたときに非常に話題と議論を呼んだ本の文庫化。
いまでこそ規制緩和については若干の懐疑が提示されているが、規制緩和が経済活性化の鍵であり、そして官僚バッシングとあいまって、まるで経済の魔法の杖であるように語られた時期があった。実際には、規制緩和は、規制で守られていた者から、新規参入者への富の移転という効果を発揮するし、その結果として、規制で守られていた大多数の「中流市民」の安全と安定と豊かさを剥奪することがある。この本は、そんな規制緩和に伴う「奪われた側」に着目して記述した本である。
規制対象業種というのは、経済的には確かに非効率な生産セクターであったり、消費者の過剰保護であったり、それに付け込んだ官僚組織の自己肥大・腐敗を伴ったりするのかもしれないが(いや、現にそうなのだが)、それに従事する人にとっては、かけがえのない生活手段であり、消費者にとっては、ちょっと高い値段は払わされるけど、安心して使える物・サービスだったりしたもの、そういうものがなくなったときに一体何が起こるのか。単なる官僚組織叩きや、より効率的な生産者の台頭、廉価で質のいい供給、という語り口は実は浅薄なのだということに気づかされる。
私は規制緩和は基本的に進めていくべきだと思うけれども、その結果、何が失われるのかということについて、鋭く描写したこの本は、規制緩和推進の立場の人であっても是非一読されるべき本だと思います。