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ささやかな愛に包まれる倖せ この手のひらほどの倖せ
手のひらほどの倖せ…なんとつつましやかな言葉でしょう。ぜいたく三昧、飽くことを知らない風潮の横行する現代、父母に早世された兄弟が他人の温情に涙する物語です。おじちゃんに倖せ柿、おばちゃんに倖せむすびをもらって感激。両手にもらった愛のプレゼント、その一つを食べて空いた片手で涙も拭けるようになる。親代わりとしてめんどうを見てくれた、優しいたった一人の兄ちゃんにも若死されてしまう。主人公の「私」は不幸な中にもささやかな愛に包まれて生きることの倖せをしみじみと感じて生きる物語です。
歌手布施明の身の上話ではないようですが、こんな童話を還暦近くなって創られるのですから、それは心底優しい心根の方であると、感銘深く読ませていただきました。「シクラメンのかほり」のようなしっとりと情緒に富んだメルヘンだと思います。雄々しく逞しいのもいいですが、今繊細な神経の通うヒューマンな物語が影を潜ませている気がしてなりません。
ここでの【手のひら】でつかんだ柿とかむすびというのは、日本のふる里の郷愁を感じさせる【ささやかな、この上ない倖せの象徴】であるにちがいありません。
布施明さん、ありがとう! この手のひらほどの倖せ
新聞でこの本のことを知ったのですが、あの歌唱力バツグン歌手の布施明さん? 一瞬同じ名前の作家がいるの?って思いました・・・。で、本を買いにいったのですが、なかなか見つからなかったのですが、やっと買えて読みました。とにかく感動もので、温かい涙が自然に頬に流れてました。布施明さんは優しいイメージの人でしたが、この本を読んだとき、ピュアで温かい心の人じゃないと書けないと思いました。この童話は昭和30〜40年代ですが、私はこの時代に生まれてなかったのですが、昔の日本人は温かい人がたくさんいたということを知ったことだけでも嬉しかったです。なによりも親のいない兄弟が強く生きようとする健気な姿に、涙せずにいられませんでした。この本のあとがきも必読。素敵なメッセージに、布施明さんの温かな人柄が表れてますよ。いつか私に子供ができたら読んであげたいと思いました。あとがきを読むと布施さんは以前にも本を出しているんですね。これからも、感動作を期待したいです。布施明さん、ありがとう!って言いたいです。(N.K)
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