カスタマーレビュー
ヴォネガット爺の「喝っ!」 国のない男
かつて『屠殺場5号』を読んで衝撃を受けたことを思い出し、というか
著者のヴォネガット氏が生きていたことすら知らなかったが、懐かしさ
から読みました。
なんというか皮肉めいた物言いがさすがのヴォネガット。いやもうなんか
歳を重ねた分“ヴォネガット爺”みたいな感じになってて愛嬌たっぷりの
文章。ニヤニヤしながら「またあの爺さん言ってるよ」的な読み方が正し
いかどうかは知りませんが、そういう読み方に不思議となってました。
地球をボロボロにしながら見て見なフリをする欲にまみれた人間たちであ
ふれ、かといって指導者らは権力亡者の馬鹿野郎どもで、世界はもう終わ
りだ!人間はもう終わりだ!こんな世の中もう笑い飛ばさないとやってら
んねえよhahaha。
ヴォネガットの挿絵あり 国のない男
ヴォネガットの挿絵もある。
彼の思想はいたく心地よい。
井坂さんが好きなら一読あれ。
まっとうな倫理観を謳うことが今求められていると思う。
ヴォネガットよ永遠に 国のない男
この世にもうヴォネガットがいないことがとっても残念でなりません。小気味の良いテンポで進められる独自の文体、ウィットの効いた言葉たち、現代に対する鋭い視点、こうしたものを明快に示せる人はこれから先もあまり多くないでしょう。
小説とは違ってエッセイであることから、ヴォネガットの考えがそのまま文章になっていて、分かりやすいです。小説とは違った楽しみ方をできます。多くの人が読むことを願う作品です。
ちなみに比較的平易な英語ですので、可能であれば英文で読むことをお奨めします。日本語訳はちょっと直感的でないところがあると友人は言っていました。確かにそういうところもあると思います。
ありがとう。ヴォネガットさん。 国のない男
久しぶりに優しい読書ができました。読んでいる途中は、いろんな考えや感情が交錯して、自分の思いがコーヒー入れてる時みたいに、ぶわぁっと膨らんで その後言葉を選んで少しずつ出てくるような気分でしたけれど、やっぱり読み終わった後はなんか、Happyでヴォネガットさんに「おじさん、ありがとう」って言いたくなる。そんな読書でした。
さて、オバマ大統領になって立ち直ろうとしているアメリカを、ヴォネガットさんは天国からどんな眼差しでみてるのかな?
ヒューマニズムを擁護する 国のない男
ヒューマニストという語が死語になって久しいが、随所に出てきて感慨深かった。特に9章のユージン・デブズのことば
下層階級がある限り、私はそのうちの一人だ。
犯罪者がいる限り、私はそのうちの一人だ。
刑務所に一人でも誰かが入っている限り、私は自由ではない。
が強烈だった。
格差社会が問題なのではない。格差社会の下の階級に立とうとする者がいないのが問題なのだ。カートが考察するように、こうした間違った社会になったのはサイコパスが迷いなく、毎日、目標に向かってこつこつやり続けるせいなのだろう。抵抗せねばならない。
6章の「わたしは『ラッダイト』と呼ばれてきた」が秀逸。ワープロを使わないのでタイプライターによる清書が必要になり、しかもメイルでなく郵送する必要があるため、タイプライターと電話で話し、封筒を買い、切手を買うまでどれほど多くの人とやり取りすることになるかを描き出している。効率主義への地味な抵抗は、明日からでも始められるだろう。
カート自身は書いてないが、彼に話しかけられた行列待ちの人は、面倒くさい奴、と思いながら、でも徐々に楽しい気分になったんだろうな、と思う。まるで「EQ」(ダニエル・ゴールマン)の序章に出てくるニューヨーク市民を微笑ませたバスの運転手のようだ。われわれが普通の感情を取り戻すために、サイコパスへの地味な抵抗は、明日からでも始められるだろう。 まず、効率を求めてかえって疲れるより、楽しみながら無駄を手に入れていこう。
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