2001年出版だが、今読んでも面白い。私は最近「迎春歌」「暁の脱走」「醜聞」や沢口靖子の「さよなら李香蘭」上戸彩の「李香蘭」など彼女のDVDを見たりしているが、この本はシンポジュウムや論文などを編集して若き日の李香蘭の活躍とその時代を甦らせる。甘粕正彦や川喜多長政など関連する人物も活写していて、昭和中期の上海の光景や雰囲気が目の前に見えるようだ。中日関係の底流もわかってくる。ただ対象地域は中国・台湾・パレスチナが主になっていて「東アジア」と題したのはやや無理がある。なお彼女の自伝「私の半生」「李香蘭を生きて」と併せて読むとよい。
張愛玲の記述に惹かれて手にしてみた。
そうすると、このタイトルをつけるには内容が物足りない。
張愛玲の聡明な批評から、当時の中国日本の状況におぼろげ
ながら想像意欲を掻き立てられるのだが、他はお決まりの文
章でしめくくられ、表層を通り過ぎてゆくようだ。
きっと、自分が期待していたのとは別のテーマで、本の
構成が行なわれたのだろう。