カスタマーレビュー
変容する時代の象徴としての「風俗」 プルーストからコレットへ―いかにして風俗小説を読むか (中公新書)
片やフランス文学のみならず世界文学においても二十世紀最大の存在と呼ばれているプルースト、
片や小説にもまして波乱万丈でスキャンダラスな人生を送り(現在では再評価が進んでいるとはいえ)
「お洒落な流行作家」と揶揄されたコレット。一見すれば水と油のように思えるこの二作家を通して、
本書では恋愛、身体感覚、社交、それら全てをひっくるめた「風俗」が繁栄のベルエポックを通して
変容しつつも爛熟し、文学作品も風俗の「一部」として位置づけられる様子が描かれたものであり、
ゲルマント公爵夫人やシャルリュス、レアやクローディーヌといった彼らが想像した魅力的な人物は
「風俗」の「象徴」として位置づけられている。「お洒落」な面ばかり強調されるベルエポック期が
「感覚の変容」という点においてヨーロッパ史上革命的な時代であったことを認識する上でも興味深い著作である。
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