そもそもはどうしても、加賀さんが若い頃に出版された
「私生活」という写真集が欲しかったのです。
当時としてはセンセーショナルだったと思われますが、
そこには素顔の加賀さんが、ヌード写真と共に掲載されています。
もうそれが、最高にキュートで、
もし自分が男性だったら、人生も何もかも棒に振ってもいい!
と思うぐらいの魅力に溢れているのです。
(この本には「私生活」からも何点か写真が引用されています。)
バラエティ番組などで見かける彼女は
「辛口コメントのおばさん女優」的な取り扱われ方ですが、
それはものすごく偏った一部分です。
わがままと言われながらも自分の意志を貫き、
もちろん貫きながら芸能界で生き残るために大変な努力もし、
そうして今の加賀さんがあるのです。
この本はそもそも女性誌で掲載されていたエッセイを
まとめたもので、加賀さんが未婚の母を決心したことや、
その後の悲しい出来事など、人生の中の深い苦悩の部分も、
同情など寄せ付けない潔さで書かれています。
私のように意志が弱く、ちっとも潔い生き方の出来ない女には
加賀さんの生き方は憧れそのものです。
今、「負け犬」という言葉が流行っているようですが、
そういう自虐的な言葉で自分を呼ぶのはやめて、
この本を読んでもっと自分の人生に誇りを持って生きる女性が
増えるといいのに、と思います。
もちろん、自分自身も含めて、ですが。
テレビドラマの主役を演じる若い女優を、共演している加賀まりこが「いじめている」という情報が随分と前に芸能雑誌の誌面を賑わせたことがあります。演技の拙い後輩を叱咤激励するつもりで思ったことをズケズケと口にする彼女の態度は、芸能メディアの格好のネタでした。私の目にもその新人女優の演技は「いかがなものか」と思わせるに十分なほどで、まりこ姉さんの指摘もむべなるかなとは思ったのですが、加賀まりこがティーンの頃から築いてきた小悪魔的なイメージを芸能メディアは無思慮に援用していて、決して好意的には報じませんでした。
そんな当時の芸能ニュースのことを思い出しながら、この本を興味深く読みました。もちろん、まりこ姉さんのとんがりぶりは私のような市井のサラリーマンにはやはり少々アクが強く、身近にこうした女性がいたら親しくお付き合いさせていただくのはなかなか手強いだろうなという思いを強くしたのも事実です。先述の芸能雑誌の記者たちも彼女のとんがりを受け止めるだけの力量がなかったばかりに、面白おかしな底の浅い記事しか描けなかったのではないでしょうか。
しかしながら、彼女の思いや態度を理不尽と形容するのは決して適当ではありません。むしろ彼女自身が世の中の理不尽さに対して彼女なりの一本芯が通った態度できっちりと対峙してみせている様子は爽快感を伴っています。その態度によって周囲との間に軋轢が生まれることや、自らが向こう脛に傷を負うことになったことも、包み隠さずきちんと見つめた上で読者に提示しています。その潔さはなかなか天晴れという思いにさせられるのもまた事実です。
酸いも甘いもかみ分けた大人の女性がもつ人生の厚みに圧倒されながらも、頁を繰るのが実に楽しかった一冊です。
加賀まりこがエッセイを出版した、と知って早速手にした。中学生の頃から憧れていたオネエサン。少女雑誌のグラビアに、洒落た洋館の自宅で当時珍しかったボルドー色の横縞のTシャツにコットンパンツ姿で載っていたと記憶している。以後、彼女の生き様を雑誌やトーク番組で見続けてきて、私の“憧れ”が裏切られたことはなかった。この本には今迄、窺い知ることのできなかった様々なエピソードが満載で大満足。実像は私の想像を遥かに超えるものだったよう。格好イイナ〜、こんな生き方ができるなんて!性格が真逆の私には、とっても刺激的な1冊でもありました。