カスタマーレビュー
七色のラブストーリー 消滅飛行機雲
「七つのラブストーリー」と帯に紹介してある。全部が男女の愛ではない。タイトルになった短編は、兄弟の愛を背景に描かれている。「人生最良のとき」は従姉の愛情(男女の関係でなく)だし、「八月のつぼみ」は、祖母と孫の愛である。どの短編も、強い感情の揺れそのものを描くのではなく、その感情の余韻を描いているような気がする。だから男女の愛をテーマにした四つの話もいいが、むしろそれ以外のほうが印象的である。「八月のつぼみ」が特に好きだ。この短編は、他の作家では書けない。
キモチいい読書 消滅飛行機雲
短篇集は、その中に気に入った話が1つでもあればよいと思うのだけれど、この本は、とても密度が高く、読み応え充分でした。1本目の『ひかり東京行き』。仕事も彼女も、新幹線の座席さえも、上手く事が運ばないでイライラしている主人公。そんな彼の気持ちが、隣の席の女の子の携帯電話のせいで、少しずつ変化していく。丁寧に心の動きをなぞってくれるので、何故そんな風に感じて、そういう行動をするのかがよく解る。『怪獣アパート201号』は、部屋の中で木を切っている彼の横で、水中メガネをつけて料理を作る女の子の話。『八月のつぼみ』は、元気なおばあちゃんと孫である主人公の夏のお話。設定がどれも楽しい上に、登場人物が生き生きと描いてあり、ぐーっと話に引き込まれてしまいます。久しぶりにとてもキモチいい読書でした。必読!!
最新レビュー 消滅飛行機雲
関連ページ
|