カスタマーレビュー
切ないけれど、、温かい 満月 (新潮文庫)
中秋の名月の夜、愛犬セタを連れ散歩に出たまりは、豊平川の川原で奇妙な男に出会う。
杉坂小弥太重則と名乗る男は、300年前の江戸時代からタイムスリップしてきた武士だった。
まりと小弥太の、不思議な関係が始まる・・・。
昭和50年代の札幌が舞台。その当時は私も札幌に住んでいたので、懐かしい気持ちで読んだ。
300年の時を超えやってきた若者の目に、はたして札幌はどう映ったのか?まりやまりの
祖母とのふれあいの中、小弥太はしだいに現代の生活になじんでいく。心の中では激しい葛藤や
苦悩が渦巻いていただろう。妻子と別れなければならなかった寂しさもあっただろう。だが彼は、
武士としての毅然とした態度を崩さない。まりは憎まれ口をききながら、そんな小弥太を温かく
見守る。やがて、まりと小弥太との間に芽生える感情・・・。けれど、別れのときは刻一刻と迫る。
ふたりがどんなに努力しても、「時間」という乗り越えられない壁があるのは悲しかった。読んで
いて切なかったが、ほのぼのとした温もりも感じる作品だった。
楽しくもあり、少しせつないです 満月 (新潮文庫)
お侍さんが現代にタイムスリップしてしまう話です。
ファンタジーと恋愛が入り混じっていて、すごく楽しい気分にさせられます。
約1ヶ月の出来事として書かれていますが、ゆったりとした心地いい時間が流れている感じです。
最後は読んでのお楽しみとして、すがすがしい中にもせつなさが残りました。
満月 満月 (新潮文庫)
原田文学のカラーはやはり北海道だ。「挽歌」で初めて原田ファンになった。 冬の北海道へ出張になると無性に原田文学がほしくなる。 あの北海道、札幌と弘前を舞台にした本作品はSF的作品でありながら 何度も読み返したくなる。 ついつい電車を乗り過ごしてしまった。「しまった」と思う瞬間、変な満足感がある。 まだその現実に戻りたくない自分がいる。 「挽歌」を読んでいたときと同じ感覚だ。玲子がバットを飲むと自然と 自分も胸ポケットのタバコを探していた。そんな世界へといざなって くれる作品である。
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