カスタマーレビュー
あとからきます 蒼き狼 (新潮文庫)
私はもともと歴史に興味がなっかたのですが、敦煌、天平の甍を続けて読み大変満足して次に取ったのが蒼き狼でした。前の2冊に比べると大変男臭く、何より戦う男の物語です。モンゴル史にも疎かったので、なるほどこういう流れかと歴史の勉強のごとく本を読み進めました。読み終わったあとは、悪くはないけど前の2冊ほどのうっとりした感じがなっかたなと思っていたのですが、しばらくすると戦い続けた男の人生ってどうだったんだろうとじわじわ色んな疑問や、広いモンゴルの大地に夢を見続けた人生の凄さとか考えはじめました。一旦終わった物語が今も続いているような感覚です。これが歴史の面白さなのかなと少しずつ分かってきました。若いときは井上靖の小説ってあまりにも優等生的な感じがして敬遠してきましたが、海外文学にずっとはまっていた私を久々に日本文学に導いてくれたのが井上靖です。余韻の残る文章がとてもすばらしいと思います。誰かの人生に興味をもつことが歴史小説の原点だと知ることができました。
井上西域ものの中期 蒼き狼 (新潮文庫)
本作をめぐる大岡昇平との論争、いわゆる「蒼き狼論争」以後、井上の歴史小説は史実を忠実になぞるスタイルに変化する。本作はそのファンタジー性が面白いのだけれど、チンギスハンの征服事業の根源を、単なる伝承にのみ拠るのは、確かに動機づけとして弱い。
ワクワクしながら一気に読めます 蒼き狼 (新潮文庫)
この本を読んで、テムジンこと、ヂンギスカンの力強さを感じました。
チンギスカンはモンゴルを統一しても尚、ヨーロッパやインドへの遠征を企てます。
チンギスカンはまさに「狼」という言葉がぴったりだと思いました。このパワーはどこから来るのだろうか。きっと、自分の出生に対する疑惑がある故に、自分の血に対する疑惑を自身の中から打ち消す為、蒼き狼として戦い続けなくてはいかなかったのだと思います。
とてつもない征服欲の強さと、戦闘を繰り返し、兄弟や息子達家族と団結して勢力を伸ばしていく様にワクワクしながら読みました。
繰り返し読むことでより内容の理解が深まります。そして、この本はその度に勇気を与えてくれる本だと思います。仕事等で上手くいっていない時等に、またもう一度読み返したいと思います。
テムジンという漢 蒼き狼 (新潮文庫)
反町隆史の主演の同名映画の原作小説。
歴史小説には作者の主観(好み)が主人公に過大に投影されるものと、歴史的事実をベースに淡々と主人公像を描き出していく手法とあるが、井上靖は後者の作家だと思う。
歴史小説にキャラ立ちは必要ないと自分は感じている。
作家の脚色を加えすぎてフィクションになってしまっては歴史小説の面白みがない。ある程度史実にそって、残された記録から人物像を掘り下げていく作業を追っていくほうが自分は面白い。
この「蒼き狼」はその点では自分の好みに合った小説だった。
勿論、井上靖自身の洞察によるテムジンの人物像・その飽くなき征服欲に迫るアプローチはされているが、テムジンという人物を過剰に脚色することなく淡々と描いていく様が、自身も歴史上の人物を次元の隙間からから観察しているようで楽しかった。
小説を読みなれていない人にはあまりにも淡々としすぎていて辛いかもしれないが、重厚で堅実な構成と筆致は読む価値があるといえる。
征服欲 蒼き狼 (新潮文庫)
一代でモンゴルを統一し、
その後瞬く間に領土を拡大し
カスピ海から遼東半島までを版図にした
チンギスハーンの一生が描かれています。
著者のあとがきにあるように
無尽蔵の征服欲がどこからきたのか
描こうとしています。
神と崇められた大王の孤独な姿を感じました。
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