カスタマーレビュー
単なる山岳小説ではありません 氷壁 (新潮文庫)
父親が井上靖の作品の中で一番好きだと言っていたのを思い出して、5年前に購入したものの、山登りをしたことのない女性である私にとっては、あまり理解できないのではないかと思い込み、本棚に飾ったままにしておきました。
しかしながら、読み始めてみると、自然描写だけでなく、ストーリー展開や人物描写も素晴らしい小説だということが分かりました。昭和30年代の日本の社会の様子もよく描かれています。敢えてこの作品を山岳小説という先入観を持たれずに読まれてもいいのではないでしょうか。
井上靖の自叙伝的小説や歴史小説を先に読まれた方、この小説も是非読んで下さい。
どこか遠い外国を舞台にしているよう 氷壁 (新潮文庫)
とても綺麗な文章です。
物語は昭和30年の日本が舞台です。
主人公の魚津や、彼を取り巻く人たちの、それぞれの思いが
活き活きと書かれています。
この作品に書かれている当時の人たちの描写を見ると、妙に
大人ぶっていたり、また逆に子供じみていたりと、どこか遠い
外国を舞台にしているようにも思えます。
切れないはずのナイロン製ザイルが、登山の途中で切れた。
企業の品質問題など、今日に通じるテーマでもあります。
ただ、ミステリーファンの立場で見ると、ザイルの切断面は
滑落した小阪側と、魚津側の二つがあったのに、何故最初から
魚津側のザイルの切断面を調べなかったのかと言う疑問が
残りました。
また、物語の重要な謎になっている、何故ザイルが切れたか
という問題が、うやむやのうちに終わってしまったのと、読後の
後味が少し悪いのが気になりました。
快作! 氷壁 (新潮文庫)
乾いた文体と厳冬の山岳が調和した、素晴らしい作品。とりわけ「遺言」から終末に至る流れは、ひたすらに美しい。
ああ無常 氷壁 (新潮文庫)
昔ザイルは麻でできていました
ごわごわして使いにくい
それで戦後はナイロン・ザイルが登場します
強くてしなやかです
麻のように凍結しません
理想のザイルと思われましたが事故が起こりました
ナイロンはせん断応力に弱い
岩の角で簡単に切れてしまいました
実話を基にして出来たのが「氷壁」です
主人公が穂高滝谷D沢で死んでしまうところがかわいそうでした
山岳小説の最高傑作のひとつです
面白いのですが・・・ 氷壁 (新潮文庫)
小説中盤の緊迫感はさすがで、ぐんぐん引き込まれましたが、
読み終わってみると、結局作者は何を書きたかったのかなあ、という印象です。
私の感性が乏しいだけなのかもしれませんがその点だけが少し残念です。
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