同著者によるシリーズ的な作品だということを知らずに手に取ったのだが、この1冊からでも十分に楽しめた。
主人公の取る行動全てが滑稽に現れてしまう、という少年の直情性を非常に良く出せていると思う。
自意識の無駄な高さも、その行動の極端さも言動の突飛さも、思春期の少年、というものを良く出しているとも思う。
だが、それらを強く出すぎて、せっかく描けている、その根底にある未来への不安と希望を消してしまいがちなのは残念だ。
コメディ部分は愉快ではあるが、突然のシリアスシーンへの転換に際して違和感を残すようにも感じる。
気取った純情少年は、こんなにも格好が付くものだろうか、と。
格好悪い少年は、気取ったらもっと格好悪いのだ、それに真摯な思いを強く見ることが出来るかもしれないが、
その滑稽さにこそ少年の純情がこもっているのだと思うのは私だけだろうか。
とはいえキャラクターは皆可愛らしく、情景も豊かで愛着が湧く。
物語が興味を引く部分で止められた分も加え、次巻での展開には強く期待したい。