カスタマーレビュー
本を読む人は、つまるところ「私」を読むのである。 プルーストを読む―『失われた時を求めて』の世界 (集英社新書)
プルーストは「私」殺した書き方をしている。マルセルという登場人物には意味がない・・こういう出発点から始めた著者のプルーストに関する集大成。母の問題、スノビズムの問題、同性愛の問題、ユダヤ人問題。取り上げられている問題は多岐に亘っているようですが、実はこれらはひとつ「私」の問題なのではないかという気がします。
「私」は一生その人について回る問題です。そして「私」を殺す?そういう「私」がいる。お母さんがすきで、スノッブで、それが証拠に医者の家に生まれた金持ちのユダヤ人。ママが好きで崇拝の余り、同性愛者になっちゃった「私」。そういう「私」が本当はすごく嫌いで、すごくどうしようもなく好きな「私」。
自分サイズのプルースト。それが我々が到達出来る最高のプルーストであり、限界だ。とこの著者は言いたかったんだと思います。
各章の分量が比較的均一で読みやすい プルーストを読む―『失われた時を求めて』の世界 (集英社新書)
著者はプルースト研究の第一人者で、集英社から『失われた時を求めて』の個人全訳も出しています。私も十代の頃から「いつかは全巻読破」と決意しては直ぐに頓挫してばかりでしたが、本書では『失われた時を求めて』の面白さを初心者にも分かりやすく解説しています。新書というフォーマットの特性を活かして、大学の文学部での講義録のように各章の分量が比較的均一で、それぞれの章が芸術論、当時の社会風俗、世相への批評、そして読書論、言語哲学と色々なテーマ毎にまとまって読みやすく、お手軽に全体像を把握するにはオススメです。
隅から隅を知る男による、究極のスピード論説文 プルーストを読む―『失われた時を求めて』の世界 (集英社新書)
『源氏物語』を抜いて、日本語の出版物として堂々最長の小説である『失われた時を求めて』。現在我々が読むことのできるのは、井上究一郎訳と本書の著者である鈴木道彦訳である。(途中で発狂した人もいるとか。)著者は上下巻からなる『抄訳』を刊行して、この小説をかなり身近なものにしてくれたが、今回の新書版はどうか。…正直いって8日間のヨーロッパパックツアーのように詰め込みすぎ。全体像を把握するのには良いが、プルーストの文章の豊かさには肉迫しているといいがたい。本書は完訳者だから言える究極論であるから、プルーストビギナーの方は鈴木イズムの先入観に捕われる可能性があるので、要注意。コンパクトさばかりが読書ではないですよ。しかし、ユダヤ人論は流石だ。
読む気になります プルーストを読む―『失われた時を求めて』の世界 (集英社新書)
「失われた時を求めて」名作であるとの評判を聞いて買っては見たものの、日常生活の描写にちょっと疲れて、本棚に仕舞いこんでしまった。裏話を知っていると普段の日常会話もより楽しくなるのと同じで、もう一度挑戦してみても良いかなと思わせてくれる。私のように折角揃えた本をかじっただけで仕舞い込んでしまう人はそんなに居ないだろうけど、そんな人も、これから読んでみようかなと思っている人にもお勧め。本編を読む前に是非こちらから。
いいのでは。 プルーストを読む―『失われた時を求めて』の世界 (集英社新書)
「新書で、「失われた〜」の読みやすい解説が出たらしいよ」と聴いたので、読んでみた。訳者でもある鈴木氏の本で、確かにわかりやすい。既にプルーストの研究書は様々あるし、『失われた〜』についての本も解説というよりついついエッセイに流れてしまっているものも多いが、長大な話なのでなかなかまとめにくいのは確か。実際に邦訳を成し遂げ、更には「もう一度初心者として読み直すつもりで書いた」というこの本は、鈴木氏ならではの読みやすさ。とても要領よくまとまっているし、作品の面白さや文学史上の意義もわかりやすく伝わってくる。これから読む人にも読み方のポイントがわかるし、一度読んだけれど読み返すのはちょっと、という人にもまた読む力が湧いてくる。
最新レビュー プルーストを読む―『失われた時を求めて』の世界 (集英社新書)
プルーストを読む―『失われた時を求めて』の世界 (集英社新書)を買った人はこんな商品も買っています
関連ページ
|