高校生の青春を描く、といっても、汗と涙の感動の物語ではなくて、
ひねた奴らが出てくる。
もうすでに時代が変わり、ディスコティックに出入りするのが「不良」ではない時代に、
誰が読むんだと思うかもしれないけど、そいういう時代に依存する部分は全然問題にならない、
魅力的な登場人物がでてきます。
もっとも、一番魅力的なのは、あとがきに出てくる冴子さん自身の、
高校時代のエピソードかもしれません。
今だったら「恋する女達」と聞けばD.H.ロレンスなのだろうけれど、それでも1970年代前半に生まれた少女達にとって、氷室冴子はある種教祖的な魅力を持っていたはずだ。
今読め、と言われたら恐らく同じような楽しみ方は出来ないかもしれないけれど、恋愛やら自分の女性性やらというややこしい感情と折り合いをつけることを学び始める十代前半、ポルノ小説『エロチックな7分間』(だったと思う)をもって歩くヒロインは新鮮だった。本屋で目前にあったら思わず懐かしさから買ってしまうだろう。