カスタマーレビュー
黒田さん、無謀すぎるよ。 世界の言語入門 (講談社現代新書)
とにかく無謀な本です。いかに言語学者といえ、90もの言語を知っているはずありません。「ジャワ語」にいたっては、いきなり冒頭で、「さあ、困った。本格的に何も知らない言語がテーマとなってしまった。ジャワといわれても、頭に浮かぶのはカレーぐらい。」と来るのですから、恐れ入ります。
この本は言語学を題材にしたエッセーです。間違ってもこの本で言語学を勉強しようとしてはいけません。そこは黒田さんが一番心得ているようで、「はじめに」で、「本書は言語百科辞典ではない。これをもとにレポートなどを書いたら必ず失敗することは、著者自らが保証する。」と力強く(?)保証してくれます。
まじめに言語学を勉強しようとする人は、ふざけていると思うかもしれません(というより、ほとんどの人がそう思うんじゃないかな)。ジャワ語みたいに知らない言語も勢いだけでのりきってしまう。とうてい言語学者のすることとは思えません。
ではどうしてお前はこの本に星5つつけたんだよ! 理由は単純です。一つはエッセーとして面白いこと。もう一つは、黒田さんの人柄(現に私はレビューで気安く「黒田さん」と書き、学者に対する敬語を使っていません)や、マイナーな言語に対する愛情が伝わってくるからです。「英語」の項では、ほとんど英語のことが触れられていません。支配的な言語に対する扱いはつれないですが、小さな言語はわからないなりに尊重する。
言語はすべて平等という、黒田さんの姿勢が伝わってくる90話のエッセイ集です。
さらりと読める 世界の言語入門 (講談社現代新書)
楽しくさらっと読めるのですが、せっかく新書で出すならもうちょっと骨の有るものがよかったなあなんて思ってしまいました。
それにしても一人でこれだけの言語について語れるのはふつうにすごい!
もし図書館などで見かけて一章だけ、という方は「日本語」の項目を読んでいただきたいですね。
日本語との遭遇。
同じ立場に置かれたらちょっとしたパニックになりそうです。
一般人向け。 世界の言語入門 (講談社現代新書)
1言語2ページずつでサクサクと進むエッセイ。
専門的な話ではなく、つらつらと軽い文章が続くだけなので、読み易い。
けれども、それだけなので、言語学を専門にしている者には今一つ物足りない感も否めないだろう。
安直だ。 世界の言語入門 (講談社現代新書)
タイトルのような「入門」ではない。挙げられている言語について思いついたことを徒然と書き連ねているという感じ。今どきの新書にしても、やけに内容が薄い。
あとがきで本書の成り立ちが明かされている。著者が大学教員を退職するまでの間の90日間、その暇(?)を埋めるために毎日1つの言語についての文章を書くという課題を自ら立てて実行した、その結果なのだ。
著者もそれなりに名が売れて、そのようなものでも印刷して本にして売ってくれる出版社があるということか。あまりに安直だ。今どき、無料で読めるブログでももっと内容の濃いものはいくらでもある。
成り立ちは成り立ちとして、見るべき内容を書けなかった言語についての項目は切り捨てるぐらいの配慮があって然るべきだったと思う。こんなことをしていたら、この著者は確実にファンを失うだろう。二度とするべきではない。
☆1つにしなかったのは、内容のある項目に関しては、言語について一般に親しみやすくものを書くことができるという著者の得難い才能を認めているからだ。それだけに、こういうことはこれきりにして、読者に対して誠実であって欲しい。これは刊行した出版社に対しても言わなければならないことだ。
ちょっと気軽すぎるくらいに気軽な言語エッセイ 世界の言語入門 (講談社現代新書)
2ページで1言語ずつ、90に及ぶ言語を「黒田節」で紹介していく一冊。
アイスランド語から始まり、(著者の得意な)ロシア語で終わる。
といっても、2ページで1言語だから、それほど体系的なことは書けるわけもなく、著者のその言語に対する「一発ネタ集」といった趣だ。
著者が専門とする東欧諸語については非常に充実しているが、アジア系言語になると、
「わからないのでちょっと調べてみたら・・・」
なんて記述が多くなり、大丈夫か、と思ってしまったりも。
それでも私のような言語好きには十分面白いのだが、そうでない人には果たして面白いのか、ちょっとなんとも言えない。
ただ、世界各国にこんなにたくさんの、しかも多種多様な言語があるということを知るだけでも十分価値があるのではないだろうか。
著者の文章も軽妙で、とても読みやすい。
ちなみに、別の新書で同様の企画があった(『世界言語地図』新潮新書)。
流行のテーマなのだろうか?
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