カスタマーレビュー
やっぱりドラマよりこちらですよ!! 新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫)
大河ドラマ、それなりの面白さはありましたが、テレビ故の通俗性はありましたね。原作と比べると明らかで、私はやっぱり原作のほうが、人物が丁寧に描かれていると思います。
このように主役に感情移入しすぎずに、適度な距離を置いてかける女性作家は数少ないですよね。そして、距離を置きながらも、宮尾さんの登場人物への愛情の深さを感じられ、宮尾さんんのお人柄を感じられずにはいられません。
この宮尾登美子さんの原作では、過酷な運命の中で、自分なりに揺らがず、前に進む篤姫の強さが印象的です。いくつかの宮尾作品にみられる、男社会に翻弄される自分の運命を悲観せず、かといって楽観せず、前を向いて生きる女性の姿です。
説明口調が疲れる 新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫)
出来事を時系列に追って淡々と描いている印象を受ける。
説明の多さにより人物の個性が伝わりにくく、私はあまり感情移入できなかった。
大河ドラマの生き生きとした篤姫像は脚本家あってのものかなと感じる。
ただ、篤姫をはじめとする女性から幕末を見た視点は勉強になる。
政治の動きに翻弄され、それでも進む姿には心を動かされた。
先に読まないでよかった 新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫)
一年前、本作品が、「来年の大河ドラマ原作本」として、店の一番目立つ場所に平積みされていた。そのとき、「どうしようかな」と迷った。先に読んでおくと予習にはなるが、入れ込みすぎると批判ばかりが先に立ったりするものだからだ。迷った末に「読まない」ことに決めた。そして、一年間大河ドラマが終了するまでは読むまいと心に誓った。そして、先日ついに大河ドラマは終了し、ようやく読むことができた。
上巻を読み終えて、まず思ったのは、「一年間我慢した甲斐があった。先に読まずに良かった」と心の底から思った。
ドラマが終わってから日が浅いという理由もあるが、物語がイメージしやすいのだ。特に、篤姫と家定の会話のシーンや、幾島と滝山のシーンはイメージどころか映像として流れているようだった。
大河ドラマを見た人はぜひ見てほしい。先に読んでしまった人も、もう一度読み返してほしい。きっと私と同じ体験をすることだろう。読んでない人は「読んでほしい」ではなく「読まなくてはいけない」だ。きっと、篤姫をもっと好きになり、ドラマを思い出すこともできるだろう。
この時代の女性の英知、そして覚悟 新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫)
いうまでもなく、今の時代とは女性の役割、世の中の女性観は隔世の感がある。
たった数百年前明治にならんとする近代の黎明期において、トップレディといえ、
主たる役割は世継の継承、バックオフィスの安泰であり、歴史的政治的な役割は
期待されていない。
とはいえ、バックヤードでのあるじたる将軍への影響力を期待され、多いとはいえない
また速いとはいえない情報から裁量をとることが期待されている。
いち早く多くの情報取得をできた人間が勝ち、そして性差は多様性と受け止める
現在とは処し方も違えば価値観も異なる。
そんな中で篤姫は鹿児島の分家の娘として生まれてから島津家の養女そして徳川の嫁として
数奇な運命を進んでいく。
この小説はその48歳の人生をコンパクトに力強く表現していったのものである。
そのストーリーは小気味良く、言葉遣いも印象的で、彼女の思いや時代の流れと共感し、
思いをはせることができる。
彼女はバージン女王ならぬバージン御息所であり、当時の国家である徳川の永続を強く願い、
三千人の大奥の人間を統率したすばらしい女性である。
惜しむらくは、直接のコミュニケーションやリアルな会話ができにくい体制や時代の中で
相互理解が進まず誤解と哀しみ怒りばかりにとらわれ、和解していくまでの和宮との関係、
夫でありながら共感をすることが難しかった将軍との関係。
こういったことは今の時代ではもう少し緩和されていくはずのものであろう。
今の時代に彼女が生きていればどのような姿勢で生きていったかを想像してみようと思うのである。
おもしろい 新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫)
2008年NHK大河ドラマの原作です。
篤姫の生い立ちから、大奥、晩年まで描かれた長編ですが、
篤姫と周囲の女性との会話が多くテンポがよいため、あっという間に読み終えてしまいました。
もちろん、大奥での篤姫の活躍にもっとも重点が置かれており、その時代の大奥に入り込んだ気分になりました。
篤姫は頭の回転が良くて、非常に気が強い、と感じられたので、ドラマの配役とは印象が異なるというのが個人的な感想です。
また、一橋慶喜は徳川幕府を終焉させた”悪役”のような立ち回りですが、これには多少違和感を持ちました。
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