カスタマーレビュー
おどろおどろしい横溝ワールド 八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)
舞台は岡山県の山間の一寒村。
村の名前の由来は冒頭部分で詳細に
描写されています。
昭和20年代の日本の風景・・・・。
勿論私もリアルタイムには解らないのですが、
古いアルバムをめくるような
ノスタルジーが横溝作品には
感じられますよね。
何ていうか、時代の匂いのようなもの。
八つ墓村で起こる連続殺人事件。
実際に岡山で起こった“津山事件”を
下敷きに物語は主人公の一人称の
手記を紐解くかたちで語られてゆきます。
セピア色の風景に繰り広げられる
数々の惨劇。
推理というより、伝奇小説のような
印象があります。
鍾乳洞を使った筋回しも
読んでるこちらがゾクゾクするような
スリルがありました。
日本推理小説の巨匠の
代表作です。
ロマンあふれる冒険小説 八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)
映画やドラマで有名な「八つ墓村」の原作本です。
原作本には映画やドラマとはまた違った魅力があります。他の方々もコメントされていますが、本作は犯人探しを前面に押し出したミステリー小説とは趣が異なります。主人公辰弥が幾多の試練に遭遇しながらそれを乗り越えて行くという冒険小説の色彩が大変に強い作品です。
まず第一に陰惨な歴史と旧家の因習がおりなす独特な横溝正史ワールドの中で、主人公が必死に自分の生き場所を探そうとする姿には目を離せません。過去の落ち武者の財宝探しの点なども非常にロマンのあふれる冒険小説だと思います。
もう一つ特筆すべきは登場人物の女性の性格の描き方が非常にすばらしい点です。ヒロイン典子の主人公への一途な愛情や先を見通す確かな考え方や行動、主人公の姉である春代のつつましやかながらもしっかりした態度には感動しました。本作は恋愛小説としても第一級の作品だと思います。
映画やドラマを見たけれども本作を読まれていない方にはぜひ一読をおすすめします。
風俗描写よりも女性の描き方に時代が感じられる 八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)
本編冒頭の描き方を見る限り、江戸川乱歩の「孤島の鬼」を意識しているようですが、詳しく比べるのは、将来の楽しみにしておきましょう。
金田一耕助が出てくるのでミステリーの範疇で評価されることが多いようですが、いわりる犯人探しの要素は少なく、語り手の青年をめぐる伝奇物語もしくは貴種流離譚の色合いが濃い作品です。
最初の50ページほどにおけるラジオ放送による尋ね人など、戦後の社会事情は今読めば古く思えるかもしれませんが、終戦後60年以上過ぎて、歴史的な描写と割り切って読むことも今ならば出来るかもしれません。
むしろ作中には女性が多く登場しますが、いずれも男社会からみた都合や価値観での描き方が濃厚のように思えます。風俗よりもこのあたりの視点の方が時代がかかって読めます。
金田一耕助ファイル? 八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)
特に意味はなく、なんとなく敬遠していた横溝正史作品。…こんなに面白いとは!田舎には、いろんな愛だの憎だのが渦巻いている。その濃ゆーい感じが、夏の読書に暑苦しくてよかった。物語自体(ほとんど怪談)では冷え冷えとできるし。
でも、金田一耕助ファイルなのに、あんまり金田一耕助出て来なくないですか?他のファイルもちょっと読んでみよう。
重量感 八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)
横溝正史の代表作のひとつ。
重量感ある作品で、不義の話も出てくるし、洞窟の場面もばっちり。血の問題がプロットを支えている点も、実に横溝らしい。
本書で最も優れているのは、犯人の造形だろう。なかでも動機の部分に仕掛けがあり、感心させられた。
物語として良く出来た作品と思う。
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