カスタマーレビュー
夢中になります。 神曲 中 岩波文庫 赤 701-2
神曲。とても取っつきにくく思っていたのですが、平川氏の訳がとてもわかりやすく、引き込まれるような文章で、すっとはまってしまいました。解説もとても丁寧で、イタリア史に興味がわきました。確かに日本人、しかもキリスト教徒ではない者にとってちょっと感覚的に難解な点は多くあります。しかし本来ダンテが書いたのは、自分を逆境に貶めた人々や自分に恩恵をあたえてくれた人々が、死後どんな世界に行ったかという私見に基づいたもの。彼自身が神様に代わって勝手に裁います。それを地獄・煉獄・天国とはいかなるところかを作品に仕上げたもの。
でも他の方のご意見同様、地獄篇が一番面白いですね。どなたか書かれていましたが上方落語の「地獄八景亡者の戯れ」を確かに思い出しました。
この本で残念なのはドレの挿絵がないことです。同じ平川氏の文庫本の方はドレの挿絵が入っています。ドレの挿絵自体かなりの秀作なので文庫版でも挿絵付きのほうがお勧めです。
堅焼きせんべいだ! 神曲 中 岩波文庫 赤 701-2
これほど歯ごたえのある文語文も滅多にないかも この手の本は岩波文庫だねと 思いこみは恐ろしい。ワイドショー(そんなつもりじゃない?)とお説教のコラボで ギリシャ神話のおなじみキャラがおやこんなところに就職してたよと旧交を温めたりしながら サクサク読めるわけはない。ノート数冊を買い込み隅から隅までずいーっと現代語訳を書きつづったのですよ。はじめから現代語訳を買い直せばいい?買った本が読めないほどシャクな事はないのだ。地獄門前町リムボでは 美しい庭園に プラトンが古代の賢哲集めてセミナー開いてるわ オルフェがライブやってるわ これをユートピアと言わずしてなんと言おう と罰当たりにも抱く感想でありました。
地獄めぐりて 神曲 中 岩波文庫 赤 701-2
無信仰、色欲、暴食、過度の蓄え、浪費、憤怒、異端、殺傷、侮辱、汚職、偽善、詐欺、裏切り。ダンテが、十の地獄と各々の罪で堕ちた人々を巡り歩きます。キリスト教の倫理観を知ると同時に、色々な文学に登場する作品なので興味深く読みました。
本文も注釈も文語体なので理解しづらいのと、知らない人物や象徴的な言葉が多いのとで、読み下すのにかなり苦労しました。が、意外とシンプルな構成になっているので、1曲ごとに注釈とあわせて読んでいけばなんとか理解できます。
いろいろな地獄が描かれていますが、なかには変なものもあったり。逆さまに埋められて足の裏を焼かれるとか。またほかの罪人と比べて敬意を払われてはいますが、キリスト教成立以前の偉人まで無信仰の罪で第一獄に堕ちいてるのが笑えました。そんな無茶な。
最も解かり易く且つ雰囲気をつかんだ翻訳だと思う。 神曲 中 岩波文庫 赤 701-2
この書の翻訳の文体は、神曲の原本が3行詩の形式で書かれている点を踏襲しており、加えてリズムの良い翻訳を施している。そのため神曲の感じを非常に良く伝えている上、区切りの良い文章のため読みやすい。一冊で神曲が全てのっているのも良い。集英社等も神曲を出しているがそれらと比較しても格段に理解しやすい名訳だと思う。
なにより、読みやすい。 神曲 中 岩波文庫 赤 701-2
「神曲」を何度手にとって何度棚に戻したことか。文体が硬く高尚、文学の頂点ということもあり、また内容はすでに「地獄絵ね、うん知ってるよ大体」という感じで了承していたため今まで完読したことが無かった。しかし、この平川氏の翻訳は(解説まじり意訳というか)「神曲」をずっと初心者にも受け入れやすくしたことは奨励されるべきだろう。平川氏が補足している解説や、翻訳文の他本との比較なども非常に興味深いところだ。本当のところはダンテの妄想、考案、イマジネーションなのだろうが、このような「畏れ」「闇」は現代の日本人の生活からかけ離れてしまっている今、生きていくうえでの「価値観」を再考するにはもってこいの本である。時代背景、キリスト教傾倒は「神曲」を読む上ではどうしてもベースとなってしまうが、この絶対的な宗教観は唸らせるものがあると思う。冬の夜にお勧めな1冊。
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