カスタマーレビュー
戦後日本の怒れる男たち 堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (岩波文庫)
まず、坂口の頭の良さに驚かされることだろう。ここに収められたエッセーからは、安吾の明晰な頭脳を感じられることだろう。
と同時に、彼自身も感じていた、戦時中の大日本帝国のお偉いさんに対する怒りも感じられる。外国の話になるが、「怒れる若者たち」を代表する、アラン・シリトーにも共通する感性も感じ取ることができるのだ。
「織田(作之助)くんを殺したのは、きみじゃないか」とは、太宰治の言葉だ。それと似通った、あるいは共通する「戦後の怒れる若者」たちの感性は、安吾にも共通していたのだ、ということを、このエッセー集からも読み取ることができる。
アラン・シリトー「長距離走者の孤独」には私も感動したが、本作「堕落論その他」にもおおいに感銘を受けた。とにかく、坂口は頭がいい。この文庫にはどれとして無駄がないし、どれからも重たく、21世紀を生きる我々にのしかかる文ばかり。
いわゆる「リベルタン」の太宰、織田作さんたちの文章を読んでいて、坂口のそれも読んでみたい、という方にお勧めの一冊だ。本書は坂口文芸の入門編でもあり、応用編でもあるのだ。
安吾エッセイの代表作が1冊で読める! 堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (岩波文庫)
ありそうでなかった安吾エッセイの代表作集。
「堕落論」「続堕落論」「日本文化私観」と
「FARCEに就て」「文学のふるさと」「青春論」、
「教祖の文学」「不良少年とキリスト」、
傑作中の傑作といえる上記の8篇、たった8篇だけ挙げてみても、調べてみると意外にも、これらの作品を1冊に網羅した文庫は今までなかった。
ほかにも最新版全集未収録の「武者ぶるい論」「インチキ文学ボクメツ雑談」など盛り沢山の内容。
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