エディターレビュー
アメリカのトップトレーダー(=マーケットの魔術師)たちが語る成功の秘訣を書き、話題となった『Market Wizards』の翻訳書。 トレードは、経済活動における最終・最大の未開拓分野であるとともに、個人が少ない資金を元手に億万長者になれる数少ないチャンスの1つである。もちろん、最終的にはひと握りの個人だけがこの離れ業に成功するのだが、そのチャンスを身近なものにするための方法や、トレーディングで自己の限界を超えたいと悩んでいる人たちに、解答なりヒントを与えてくれるのが本書である。 本書では、トレーダーである著者自身が、アメリカのトップトレーダー16人とトレーダーの研究を続けている心理学者1人に行ったインタビュー記事がつづられている。登場するのはリチャード・デニス、トム・ボールドウィン、マイケル・マーカス、ブルース・コフナー、ウィリアム・オニールなどだ。インタビューの内容は、「成功のカギとなる要素は何か」「相場に対するアプローチ法」「トレード・ルールは何か」「初期のトレードの経験」「他のトレーダーに対するアドバイス」など。彼らのほとんどが、失敗を糧に苦難の時期を乗り越え成功への道のりをたどっていったことがわかる。本書は、トレードの成功には王道はないが、トレードの方法論における態度や原理については共通性があることと、誰でも適切な訓練を受けて努力を重ねれば成功トレーダーになれることを教えてくれる。 本書は、トレーダー向けの示唆に富む本である。しかし、「何度か無一文になった後、3万ドルからトレードを始め10年後に、8000万ドルにしたトレーダー」「小資本でスタートし、世界で最も偉大な債券トレーダーの1人になったアメリカ田舎町出身のトレーダー」といった成功体験物語は、トレーダー以外の読者でも十分楽しめそうだ。(増渕正明)
カスタマーレビュー
類のない先駆的な一冊 Market Wizards: Interviews With Top Traders
オリジナルは1989年リリース。邦訳は当初1992年4月に日興證券開発運用部のスタッフが手がけ、現在の復刻版は2001年8月23日にリリースされている。つまり、本書の中身は1980年代に行われたインタビューということになるのだが、驚くぐらいに今でも同じだなぁ、と感じる場面に何度も出くわした。つまり、トレードというのは基本的に変わらない、ということなのかもしれない。
インタビューも巧みなのだが、それ以上にぼくが感心したのは構成の旨さだ。特に感心したのは典型的ファンダメンタル分析型投資家のジム・ロジャーズを取り上げ(ジム・ロジャーズがあのバイクでの世界踏破をとげる直前のインタビューなのがより一層面白い)、典型的なテクニカル分析トレーダーのマーク・ワインスタインをその次に持ってきているところだ。正に『好対照な二人』である。
そして最終章では『トレードの心理学』と題して、心理学者の視点からトレーダーの心理分析を行っている。ここの部分もかなり興味深かった。基本的にトレーダーというのは孤独である。孤独の中で自分の弱さを何度も見ることになる。それをいかにクールに大物トレーダーたちが成長し、凌いでいったのか、インタビューから多くのことが学べる。類のない先駆的な一冊である。
負けトレーダーにとっての宇宙第一の書 Market Wizards: Interviews With Top Traders
リスクをとる勇気がないとき、損切りする勇気がないとき、自分のやり方に自信が持てないとき、
利益を出して有頂天になっているとき、損失に打ちのめされてもう死にたいとまで思うようなとき。
トレードをしていくうえで、私たちは必ずこういった場面に遭遇することになります。
本書には、このような折に読むべき数々の珠玉の言葉が、宝石のようにちりばめられています。
その言葉を胸に刻むように繰り返し読むことによって、私はリスクをとって仕掛け、失敗したら損切りし、自分のやり方に自信を持って、
利益がでても有頂天になることなく、大きな損失を出しても再び立ち上がることができます。
そういった意味で本書は私にとって聖書であり、論語であり、コーランであり、資本論なのです。
とにかく赤鉛筆をもって、線を引きながら読み進めてみて下さい。
引かれた赤線が一番多いウィザードが、あなたのメンターやロールモデルとなってくれます。
私の場合はエド・スィコータとラリー・ハイトがそうでした。
それまで私はなんとなくでトレードして負け続けていたのですが、二人を内なるメンターとしてトレンドフォロワーになり、
彼らだったらどうするだろうと常に考えながらトレードすることによって、トレードに一番必要な心理学を身につけることができ、
なんとか相場で飯が食べられるくらいになることができました。
この本を読まれる方は、誰しも自分に適したメンターを必ず見つけられるはずです。
そのためには全体を何度も読み込まなければならないかもしれませんが、
勝てるトレーダーになるためには絶対に必要なことだと思います。
最初から勝てているトレーダーと負けているトレーダーとでは、この本から得られる功徳(?)は天と地ほどの差があります。
その妙味を味わえない勝ちトレーダーは、ほんのちょっと不幸ですね、と強がっておきます。
トレードとは小説よりも面白い! Market Wizards: Interviews With Top Traders
たかが『金儲け』と思うなかれ!
成功者の成功するまでのストーリーはまるで英雄譚を読んでいるかのような興奮を呼び起こします。
「儲かる方法教えます」的なハウトゥ本にはない、これぞ真理を教える教科書です。
逆説的だが、トレードの困難さを示すもの Market Wizards: Interviews With Top Traders
少しでも相場に関心にある人なら、「役に立つ、立たない」ということは別にしても、絶対に面白く読めるはず。どの世界でもそうだが、一流になった人の話は、その世界のことをすこしでもかじった人にとっては、ただ物語として読むだけでも面白のだ。
ただ、本書に登場するトレーダーたちの行動、意思、熱意などを見ていると、逆に、それだけのものを持ち得ない一般の投資家が相場で成功することは、非常に難しいことにようにも思えてくる。
指南書としても、読み物としても最高の部類 Market Wizards: Interviews With Top Traders
本書は「こうなったら買い」「こうなったら売り」などという、短絡的で無意味な売買手法について書かれたものではない。
そうしたものを重要だと考える向きには、巷に溢れる二束三文の株本がお似合いだ。
本書に書かれているのは、相場で勝ち続けるために必要な『哲学』なのである。
戦術や戦略、そして売買手法は人マネでは成功できない。それは自分で考え出すものだ。
本書の内容が難解だと感じたなら、あなたはまだ大事なお金を相場に投じるには未熟すぎる。
退屈だと感じたなら、おそらくあなたは相場には向いていない。
ありきたりだと感じたなら、あなたはウィザード達の言葉の本当の意味を理解していない。
本書に書かれていることの殆どは、トレードで利益を出している人間にとって、ある意味当然のことばかりである。
しかし、その当然のルールを決して破らずに『常に』厳守することは、実は非常に困難なことなのだ。
登場するウィザード達の言葉の本当の重みは、ある程度相場の経験があり、またそれなりの知性のある人間でないと理解できないだろう。
それが本書の唯一の難点かもしれない。
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