カスタマーレビュー
歴史大河小説の続編 World without End
The Pillars of Earthから200年後のキングスビリッジで、子孫たちが繰り広げる20数年間のドラマ。落ちぶれたナイトの二人の子供、建築家の道を歩むマーチン、騎士への道を歩む弟のラルフ、裕福な商人の娘カリス、貧農の娘グウェンダの4人を中心とする人間模様や葛藤、協力と対立、生死を描いています。
冒頭に子供の時の4人が偶然大変な経験をするところから始まりますが、本格的な展開は大人になってからです。基本的に善人と悪人との対立という形をとり、うまく事が運んでいると思えば次の障害が現れ、もどかしさを感じながら展開していきます。因果応報という感じで最終的には納得できる形でストーリーは終わります。
宗教、建築等の見慣れない単語が出てきますが、基本的に文章が平易で、あまり気にせずに読み進むことができました。
障害が同じパターンで出てくるような、「またか。」という感じがするところもありますが、前作を読んだ人なら、読んで損はない小説と思います。
ところで、小説中に出てくるペストに対する瀉血という治療は、1600年前後のロンドンを舞台にしたShakespeare's Scribeという小説にも出てきます。そういった治療が何百年も行われていたとすれば、本当に暗黒時代だったんだなと思いますが、真偽の程はよく分かりません。
久々に時のたつのを忘れる本を読みました World without End
ヒーロー&ヒロイン達は正義の味方、頭脳明晰な上、既存権力にも果敢に立ち向かう行動力、民衆を率いるカリスマ性あり、のスーパーマンとスーパーウーマンですが、二人が立ち向かう悪者も負けず劣らず、ひたすら邪悪で非道で残虐かつ悪巧みにたけ、日本の歴史小説の悪者達がかわいく思えます(ほんと国民性の違いを感じます)。悪も善もお互いちょっとやそっとでは負けませんので、次から次へとヒーローとヒロインには苦難が降り掛かり、きり抜けてやれやれと思ったらまた新たな落とし穴が・・・と読ませます。
ヒロインのCarisは自立心・自尊心が強く、自分の信念をかけた目標成就と愛する男性に服従して家庭を守る普通の女としての幸せとの間で揺れる姿が印象的です。多分ここら辺は現代の女性達にアピールするために書かれたものと推測。
また、中世ヨーロッパの都市で暮らす民衆、農民、聖職者や貴族などの暮らしもつぶさに描かれ興味深かったです。
私はアメリカのアマゾンサイトでの評判で購入を決めたのですが、
確かにあまりのページ数の多さに二の足を踏む方もいると思います。
でも、全く心配無用です。一度読み始めたら止まりません。
超大作で面白かったが前作と比較すると・・・ World without End
Ken Follettの作品は大半を読んでおり、その中でもThe Pillars of the Earth(邦題:大聖堂)は抜きん出た最高傑作だと思っている。本作品はこの傑作の続編といえる位置付けにあり、大いなる期待をもって読んだ。
舞台は同じ英国のKingsbridgeという町だが時代は2世紀下った14世紀に設定されている。この町を舞台に前作と同様に人間の愛と憎しみと欲と夢が濃密に交じり合ったドラマが展開される。
1200頁という大作にふさわしく冒頭で登場する4名の子供達の35年に亘る運命の変転が描かれるが、それぞれの人生が半端でない浮き沈みを辿り、お互いに複雑に交錯して行くので最後まで面白く読むことができた。
但し、前作のThe Pillars of the Earthと比べると途中で若干だれる部分があったのも事実。その要因は、前作では主人公の一人一人に生涯をかけた理想や目的があり、それを成し遂げんと苦闘する姿に共感し感情移入することができたが、本作ではその骨格となる主題がやや弱く、人間の愛憎や愛欲に焦点が当たりすぎていたため、少し引いてしまう部分があったからだと思う。
読んで損のないすばらしい作品であり星5つに値するかも知れないが、前作と比べると星一つマイナスという評価だ。
今回も傑作 World without End
前作The Pillars of the Earthの続編です。私はこの前作
も読み、中世ヨーロッパにおいて大聖堂建立を軸として様々
な人間が織りなす波瀾万丈の物語にすっかり魅了されました。
すばらしい傑作でした。
前作があまりの傑作だったので今回も期待して読み始めま
した。本作も期待通りです。1200ページを超える長い物語に
細かく伏線を張り巡らし次から次へと読者を退屈させない
ストーリーが展開します。
前作は12世紀の英国における架空の町KingsBridgeを舞台に
していましたが、本作World without Endはその約200年後の
14世紀の同じ町を舞台にしています。
主要な登場人物は、落ちぶれ貴族の息子である2人の兄弟、
貧しい農民の娘、そして裕福な商人の娘の4人です。
この4人が子供の頃にある事件をきっかけに知り合ってから
物語は動き始めます。そして、この物語の背景には英国と
フランスの100年戦争および当時ヨーロッパの人口の半分が
死亡したと言われているペストの大流行があります。
2人の兄弟のうち兄は建築家として英国で一番高い大聖堂
を建てることに執念を燃やし、弟は落ちぶれた実家を再興
するためにフランスとの戦いに出征します。農民の娘は土地
を持ち愛した男と豊かになるために必死に働きます。そして
この物語の事実上の主人公である商人の娘は女の人権など
ほとんどなかった中世ヨーロッパにおいて自立した個人とし
て生き抜こうとします。
これら4人を軸にさまざまな人間が登場します。何しろ長
い物語なので登場人物も多く、読み始めてしばらくは全体像
を把握するのに時間がかかります。しかし、それら登場人物
達が愛し合い、また憎み合い、陰謀を張り巡らし、戦争や
ペストに運命を狂わされ、めまぐるしく物語が展開します。
Ken Follettの英文は平易で複雑な構文があまり出てこない
ため読みやすく、大聖堂の構造や宗教儀式など文化の違う日本
人に理解困難な部分を適当に読み流しても物語を楽しむ上で大
きな障害にはなりません。
もし、この物語を読んでみようと思った方がいたら、ぜひ
前作The Pillars of the Earthを先に読んで下さい。そう
すればこの物語をもっと楽しめることでしょう。
大聖堂の続編 World without End
翻訳が出るのはたぶん今年の秋以後になりそうなので、待ちきれずにハードカバーを予約してしまったが、分厚い重いで片手でもつのは大変。でも、読書の楽しみを満喫させてくれる作者の筆力に衰えは全くなく、相変わらずていねいな筆致でわくわくするような中世の世界を堪能させてくれる。英国史の知識に乏しい日本人なので、僧院が病院でもあった当時のもようや、食事の様子、イギリスとイタリアの貿易の様子(イギリスは田舎でイタリアは都会だった)、学校制度、徒弟制度、国王と領主、騎士と従者、日本と違って士農工商の境目が曖昧な事等、頁をめくる度に新しい発見があり、登場人物もこれだけ沢山次々と現れるのに実に多種多様で生き生きとしていて飽きることがない。こんな教科書なら何度でも読みたくなる、そんな作品です。
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